お慕い申し上げます 1 (ヤングジャンプコミックス)
リアルで等身大のお坊さん系漫画。肉欲も描かれて、色んな意味で悩ましいし艶かしいです
肉欲を我慢しようとする青年僧侶と、その前に現れた美しくも心の問題を抱えたヒロイン。そして、そのライバルとなるモテ系僧侶が織りなす三角関係を描いた、リアルな等身大のお坊さん系漫画です。最新の3巻まで読みました(連載は続いています)。
一時は「美坊主」なんてキーワードが持てはやされたくらいですから、お坊さんに対する興味が高まっているのだと思いますが、これは生々しいですね。直接的な性描写がきついのではなく、ご本尊を前にして自分でいたしてみたり、車で顔見知りの女性とまぐわったりと、シチュエーションが生々しくて、ある意味ではレディコミ的と言えるかもしれません。
説明文:「望んで(?)望まれて(?)実家の副住職となった佐伯清玄29歳。僧として妻を娶らないと心に決めている清玄の生活は、言葉とは裏腹に色欲に負けっぱなしで…。今日もまた、“言い訳たっぷり悶々ライフ"が始まります!!」
シンプルに言えば、お寺を舞台として、青年僧侶二人と元マラソン代表の美しい女性一人の三角関係を描いたものです。ただし、決して惚れた腫れただけではなく、仏教の教えを説いたりするシーンも登場しますし、現代の若手宗教家らしい悩みも描かれています。
現代に生きる僧侶の方たちは、無宗教がはびこる現代の日本で、色んな悩みを抱えながら活動なさっているのでしょうし、そこには諦めや虚しさ、煩悩との葛藤、大きな喜びなどがあるのでしょう。本書でも、自分よりも年齢が上の息子を亡くした母親に対して、若い身で何と言葉をかければいいのかと、葛藤するシーンなどが登場します。これは今に始まったことではないのかもしれませんが、宗教家として一生逃れられないテーマなんでしょうね。
絵もなかなか艶かしいですし、僧職系男子がお好きな方は必読ですね。私も続きを期待しながら続刊を待ちたいと思います!