重版出来! 1 (ビッグ コミックス)
本好きは必見!編集者・営業・宣伝・書店員。マンガに関わる人を描いたスポ根業界漫画
新卒で出版社へ入社し、コミック週刊誌へ配属された体育会系女子社員を主人公に、「マンガ」を取り巻く人たちを描いた話題のコミックです。タイトルは「重版出来(じゅうばんしゅったい)」と読みます。
1巻が発売されたばかりで、ようやく読んでみましたが、本好きな人間にとっては興味深く、そして面白く読めました。書店員さんには間違いなくウケるお話ですから、色んな書店でプッシュされていますが、それだけの価値はありますね。
説明文:「マンガに関わる人々の超骨太人間ドラマ!「マンガ」は、漫画家だけのものじゃない。編集者、営業、宣伝、製版、印刷、デザイナー、取次、書店員…。数えきれないマンガの裏方たちのリレーで、読者の手に届くもの。そう、裏方の熱き想いがあるからこそ「マンガは売れる」んです!マンガに関わる一人ひとりの人間ドラマをぐいっと描く本作、全ての仕事人へのエール漫画です!!!」
普段は何気なく読んでいるマンガ本ですが、漫画が世の中に流通していくためには、色んな人たちが関わっています。その中で、漫画家と編集者までを描いた作品は少なくありませんが、本書では出版社の営業や宣伝、書店員の方たちまで登場して、一冊の漫画を売ろうとしている姿が見られ、ちょっと感動的でした。
学生時代は柔道に打ち込み、怪我のためにオリンピックを諦めた主人公。大の阪神ファンの編集長。私生活は禁欲的に過ごして本をヒットさせるツキを貯めようとしている社長、作画が乱れてきたベテラン漫画家など、登場人物はやや漫画的なキャラも目立ちます。しかし、外側の人間にはややこしい出版の内幕を、シンプルに楽しく読ませてくれています。
特に、4話からの無名の漫画『タンポポ鉄道』を売りだすキャンペーンを仕掛ける「売らん哉!」のエピソードは面白いですね。漫画が好きでもないのに漫画の営業に配属されてしまった小池クンの成長譚にもなっていて、分かりやすい感動があります。「あー、本好きで良かった!」と思える幸せなエピソードでした。
もちろん、まだ連載も始まったばかりですし、新入社員がイケイケで頑張って楽しいこと尽くめのスポ根業界漫画になっていますが、これから色んな壁に行き当たるところも楽しみですね。これからも継続して読んで行きたいと思います!