チェーザレ 破壊の創造者(1) (KCデラックス)
ルネッサンス期のイタリアの政治家の生涯を描いた骨太の歴史漫画。重厚で面白い!
女性漫画家「惣領冬実(そうりょうふゆみ)」さん(Wikipedia)が、中世のイタリアを舞台に描く歴史漫画。連載は続いており、9巻までを読了しました。重厚な展開で読み応えは抜群ですね。気軽にササッと読み流すようなものではありませんので、歴史好きな方にはオススメです。
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説明文:「新説チェーザレ・ボルジア伝。本邦未訳『サチェルドーテ版チェーザレ・ボルジア伝』(イタリア語原書)を精査し惣領冬美が描く、華麗なるルネッサンス絵巻。歴史の闇に葬られた人類史上、最も美しき英雄、チェーザレ・ボルジアの真実が甦る。新鋭ダンテ学者・原基晶が監修。世界的に最も定評のあるサチェルドーテ版チェーザレ・ボルジア伝のイタリア語原書を翻訳し、精査を重ね生まれた全く新しい物語。」
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主人公の「チェーザレ・ボルジア」は、イタリアのルネッサンス期の政治家です。彼の生涯を架空の人物なども交えながら、細部まで緻密な調査を行い、史実に忠実に描いているそうです。
ちなみに、私は世界史が大の苦手で、ルネッサンス期のヨーロッパの様子など、今までさっぱり分かりませんでした。教皇と皇帝の対立関係、レコンキスタ、十字軍、コンクラーヴェなど、ほとんど何も知らなかったのですが、この漫画をじっくりと読んでいくと、少しずつ染み渡ってくるようです。舞台も登場人物もほとんど馴染みのないものばかりですから、さすがに読み進めるのは根気がいりましたが、かなり楽しめました。
ストーリー自体が陰謀や策略が渦巻く世界ですので、あまり深くまで読み込んだりしなくても、また歴史を知らなくても十分に楽しめるでしょう。
この時代のヨーロッパにはまったく興味が無かったのですが、この作品の周囲をあれこれ調べて行きたくなりました。誰にでもオススメできるものではありませんが、歴史好きな方はぜひ手にとってみてください。作者さんの本気度に圧倒されますよ!