天地明察(1) (アフタヌーンKC)
映画化もされた話題作の漫画版。囲碁・算術・天体観測・暦。渋いテーマなのに面白い!
2012年に映画化されて話題になった作品の漫画化。発売中の4巻まで読了しました(連載は続いています)。私は原作小説も映画も観ていませんので、そちらと比較はできませんが、これは面白いですね!
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説明文:「小説はもとよりゲーム、アニメ、漫画原作などマルチに活躍する異才、冲方丁 (うぶかたとう)の初の時代小説にして、本屋大賞・吉川英治文学新人賞など数々の賞を受賞したベストセラーを完全漫画化! 江戸時代初期、日本独自の暦を製作した渋川春海の山あり谷あり、囲碁あり算術あり天文ありの人生を実力派絵師・槇えびしが爽快に描く! 2012年秋、映画全国ロードショー!
幕府の碁打ち、渋川春海(二代目安井算哲)は、碁の名門四家の一員でありながら真剣勝負の許されないお城碁の現状に飽きており、趣味の算術や天文観測 に没頭する始末。そんな時、算術絵馬が多数奉納されているという神社に出かけた春海は、全ての問題を一瞥のみで解いていった若い武士の存在に衝撃を受ける。その武士の名は「関」。春海の退屈な日常はこの日を境に大きく変わることになる……! 」
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主人公は、日本独自の暦を作った江戸時代初期の人物「渋川春海」。幕府お雇いの碁打ちですが、趣味の算術に没頭し、後に全国をめぐる測量団の一員へと抜擢されます。
この当時の事情は全く知りませんでしたが、数学の問題を解いていくことに熱中した人々がいること、それを絵馬に描いて出題するような神社があったことなど、とても興味深いですね。数学的なことは苦手でも、十分に楽しめるストーリーですが、登場する設問に挑んでみたくなります(笑)
味がある絵もいいですし、囲碁や算術のシーンではやや難解な用語も出てきますが、それも見事に消化していて、テンポよく読ませてくれます。あらゆる問題を一瞥しただけで正解してしまう、謎の武士へ出題を試みるあたりは、スポ根もののような迫力もあり、本当に飽きさせません。お固いテーマですが、ぜひ多くの方に読んで欲しい傑作です!