アイアムアヒーロー(1)
リアルなおっさん描写から始まって、驚愕の展開に!グロ系に耐性のある方はぜひ!
話題になっている壮絶描写のコミック。レンタルで10巻まで読みました(連載はまだ続いています)。
主人公は、過去に単行本化作品もある売れない漫画家。アシスタントをしながら、再デビューの日を狙っています。いかにももてなそうな男ですが、ちょっと変わった彼女までいます。ただし、妄想がちで、自分の部屋にいてもいろんなものが見えてしまうという、やや病んだ設定になっています。1巻のほとんどが、その日常生活の描写に費やされていますが、最後になって急展開が…(以下、少しだけネタバレあり)。
説明文:「鈴木英雄。35歳。漫画家のアシスタント生活。妄想の中でしか現実に勝てず、そんな自分に付き合ってくれる彼女との仲にも、不安と不満が募る。だがある日、現実の世界が壊れ、姿を変えていき…!?『ボーイズ・オン・ザ・ラン』完結から1年。花沢健吾の新境地!!」
1巻の終わり辺りから明らかになっていきますが、本作はいわゆる「感染パニックもの」です。原因不明の感染病が蔓延し、唾液や血液などから町の人が次々と感染していきます。不明の最近が静かにダメ男の日常を描写していっただけに、2巻以降のグロテスクな描写が際立ちます。その切替の幅がすごいですね。普通の人間が悪夢のような現実に飲み込まれていく様が恐怖をそそります。
既刊の10巻までを一気読みしましたが、こんなお話でどうやって続くんだろう?と心配していましたが、全くだれることなく、ずっと緊張感をキープしています。ゾンビ物の映画などがお好きな方であれば必ず楽しめる作品ですので、グロい絵(感染者の血しぶきとか、小汚い中年男のリアル描写とか)に耐性のある方はぜひ!
なお、作者である花沢健吾さん前作『ボーイズ・オン・ザ・ラン(1)』は、もてない駄目リーマンのお話のようです(10巻で完結)。この人が描くと気分が凹むような作品に仕上がっていそうですから、こちらもぜひ読んでみたいと思います!