2012-11-01

近江若狭の仏像 (楽学ブックス)

滋賀県・若狭の仏像拝観の入門書。豊富な画像で「観音の里」の魅力が伝わってきます

寺と神社に関して分かりやすい著作を多数送り出している「吉田さらさ」さんの近江・若狭の仏像ガイドブック。個人的に「滋賀の仏像マスター」として少しだけ尊敬している「仏像ワンダーランド」の中の人が推薦していた仏像本だけに、さすがに充実した内容でした。

紹介文:「 延暦寺をはじめとする大津の寺、紅葉の名所として知られる湖南三山や湖東三山、湖北や若狭の観音像……。近江・若狭の寺院と仏像に魅せられて実際に訪ね歩いた著者による、仏像の宝庫近江・若狭の仏像ガイド決定版。豊富な写真と平易な文章で、73カ所以上の寺院で守られ、里人の信仰の対象となってきた秘仏を含む数々の仏像を紹介。オールカラー。問合せ先や交通アクセスをはじめ、拝観に便利な情報も掲載した。」

仏像といえば奈良・京都というイメージがありますが、滋賀県も素敵な仏さまが多数おわす土地です。本書の大まかなエリア分けは、大津・湖南と甲賀・湖東・湖北・若狭となっていますが、どこも本当に美しい仏さまがたくさんいらっしゃるんですよね。

拝観には事前予約が必要だったり、とんでもない鄙びたところに祀られていたりと、京都や奈良と比べると手間がかかるケースも少なくありません。しかし、その分だけ地域の方々との結びつきの強い仏さまであることが多く、古くから変わらない信仰の姿が見られるような地域でもあります。著者もその魅力に惹かれた一人で、仕事柄いくども奈良や京都へ来ていながら、その帰りに滋賀方面へ足を伸ばして仏さまにお会いしてから帰郷するようになったのだとか。

掲載されている写真も大きめで美しいですし、拝観情報も初心者に分かりやすく書いてあります。紹介されている仏さまのセレクトに個人的な趣味が色濃く入っているようにも思えますが、そんな点もいいですね。この手のガイド本は、必要事項だけ書いてあって素っ気なさすぎることも多いのですが、適度に個人の見解が入っているのもいいと思います。

関東からはもちろん、関西からでもそれなりに距離があるエリアですから、簡単にはお詣りに行きづらいですが、この本を読んでいるとウズウズしてくるでしょう。ぜひ近江と若狭エリアの入門書にしてみてください!


『<$MTEntryTitle$>』より

『<$MTEntryTitle$>』より

『<$MTEntryTitle$>』より

『<$MTEntryTitle$>』より


【近江若狭の仏像 (楽学ブックス)】の関連記事

  • 『ミズノ先生の仏像のみかた』~顔のパーツなど細部にも注目し、脱・仏像初心者に最適!良書です!~
  • 『消しゴムはんこの仏さま』~愛らしい消しゴムはんこの仏さまを多数収録。親しみやすく味がある文章も◎!~
  • 『香薬師像の右手 失われたみほとけの行方』~所在不明の新薬師寺像の行方を追ったドキュメント。読み応えあり!~
  • 『仏師たちの南都復興: 鎌倉時代彫刻史を見なおす』~「南都復興は慶派中心だった」の歴史感を見直す、丹念で読み応えのある一冊~
  • 『南山城 石仏の里を歩く』~石仏の里・南山城の丁寧なガイドブック。散策したくなります~
  • 『円空を旅する (BT BOOKS)』~漫画家・井上雄彦さんが全国の円空仏を巡る。貴重なスケッチも大量に収録!~
  • 『壊れた仏像の声を聴く 文化財の保存と修復 (角川選書)』~薮内先生が仏像修理の最新技術、古典技法の解説などを解説。興味深い内容でした。~
  • 『入江泰吉と歩く大和路仏像巡礼』~入江泰吉さんの仏像写真に、詳細な解説付き。分かりやすくてバランスのいい内容です~
  • 『東海美仏散歩』~東海エリアの美しい仏像のガイドブック。見やすく調べやすい!楽しく実用的な一冊です!~
  • 『巨大仏巡礼』~情報充実・オールカラー160ページ・お値段お手頃。大仏を紹介する本の決定版でしょう!~
  • 『巨大仏!!』~日常生活に溶けこむように存在する巨大仏の写真集。圧倒的な大きさと非日常感が面白い!~
  • 『獅子と狛犬』~MIHO MUSEUM「獅子と狛犬 - 神獣が来たはるかな道」の図録兼作品集。見応えたっぷり!~


  • Twitterでフォローする
  • Facebookページを見る
  • Instagramを見る
  • ブログ記事の一覧を見る







メニューを表示
ページトップへ