2012-01-29
さらい屋五葉 1 (IKKI COMICS)
お江戸を舞台にした味のある時代劇漫画。これは面白い!
1巻~8巻(完結)までレンタルで読了。初めてのオノ・ナツメさん作品、馴染みのないお江戸モノでしたが、これは面白い!独特の絵も、時代劇っぽくないストーリーにも引きこまれて、夫婦揃って「これは買うべきかも?」と相談したくらいでした。
腕は立つが世渡り下手なために浪人となってしまった主人公・政之助が、拐かし(かどわかし)を生業とする賊「五葉」に手を貸すことに。それぞれに事情を持つ登場人物たちが、決して馴れ合わず、ドライな距離感を保ちながら次第にファミリーになっていく様子が描かれます。誘拐や斬り合いシーンは最小限、仲間たちとその周りの人たちの過去が交錯していき、最後までしっかりと緊張感が保たれていました。
私は読んだことが無いのですが、ドラマ性のある時代劇を描いた池波正太郎さんや藤沢周平さんの作品に近いテイストなのかも…という想像をしたりもします。
そして、何よりも印象深いのは、オノ・ナツメさんの独特のタッチの絵ですね。太い輪郭線を使い、まるで浮世絵のような雰囲気すら漂います。クセのあるタッチですし、人物を分かりやすく書き分けているワケではないので、時々混乱することがありましたが、それを補って余りある絵力ですね。画集まで欲しくなります。
他の作品もありますので、全て読んでみたいと思いますが、まずは同じく時代モノの「つらつらわらじ」が気になります。必ず読みたいと思います。