2011-12-15
神像の美―すがたなきものの、かたち。 (別冊太陽)
プリミティブで高貴。神像の魅力が伝わる充実の一冊
別冊太陽の「神像」特集。他に同じような内容の本があるか分かりませんが、大きめの画像を使用してあって、神像の魅力が十分に伝わってくる内容でした。
仏像を掘る技術があった時代であっても、神像はどこかプリミティブで、まるでこけしのような造形のものもあります。かといって、円空仏のような意図したものではなく、とても不思議な存在です。造像された年代によって差こそあれ、明らかに仏像とは目的も手法も違うものだということがよく分かります。
神像は、八幡神信仰の広まりとともに広がった面もあるとか。奈良の大仏鋳造、東大寺の創建の際には、大分の宇佐から八幡神が勧請され、現在の手向山八幡宮におわします。奈良県・薬師寺にも9世紀ごろの像が遺されていますし、東大寺の僧形八幡神坐像(快慶作)という素晴らしい像も祀られています。
…など、解説された内容は、今の私にはやや難解な部分もありましたが、神像の魅力に触れるには最適な入り口になりました。これからもうちょっと掘り下げていきたいと思います。