2015-12-13

“ひとり出版社”という働きかた

全国のほぼひとりで運営される出版社。大変そう&楽しそう!刺激になります

全国の「ひとり出版社」を取材した一冊。出版不況が続く中、さまざまな土地でほぼ自分ひとりで出版社を立ち上げ、全国へと流通させている企業を紹介しています。フリーランスの者として、参考になったり、刺激を受けたり。楽しく読了しました。


説明文:「ミシマ社、港の人、里山社、赤々舎…“小商い“の一形態として注目される13の「ひとり出版社」を通して、働きかたのヒントを探る。」


きっかけとなった本は、社会主義者として知られる大杉栄の著書だったり、偶然出会って気に入った絵本であったり、被災地の方々を写した写真集であったり。自分が好きな本や物語をたくさんの方に届けるため、皆さん、自然とスタートしたという印象を受けます。

とはいえ、企画・著者との打ち合わせ・編集・営業などあらゆる実務をこなす必要があります。どう考えても簡単なことではないでしょう。前書きには「小商い」というキーワードが登場していますが、その言葉が相応しいかどうかは疑問です。特に、ある程度の刊行点数がそろうまでが大変なようで、資金面で苦しんだり、企画が見当たらずに苦しんだりするようです。

しかし、インタビューではどなたもあまり苦労を口にしていませんし、どこかひょうひょうと楽しんでいらっしゃる感があります。ある意味では理想とする働き方が実現しているようです。本との関わり方も多様化していて、まだまだやり方はあるのかもしれません。希望が見えますね!

メモ代わりに書いておきますが、こうした「ひとり出版社」が増えたのに対応するように、書店への配本を行ってくれる「ひとり取次」というべき存在の「ツバメ出版流通」( http://tsubamebook.com/ )というサービスなども登場しているのだとか。なるほど。いつか必要になるかもしれないので覚えておきたいと思います。

少し前に発売されたムック本『小さな出版社のもっとおもしろい本』などと合わせて読んでみるといいですね。


【“ひとり出版社”という働きかた】の関連記事

  • 『ローカルメディアのつくりかた 人と地域をつなぐ編集・デザイン・流通』~地元密着「ローカルメディア」の運営方法など。参考になりました~
  • 『偶然の装丁家 (就職しないで生きるには)』~変わった経緯で装丁家になった矢萩多聞さん。こんな生き方もあるんですね!~
  • 『日本の最も美しい図書館』~美しい図書館41館を収録。静けさまで伝わってきそうな大判な写真が見事!~
  • 『“ひとり出版社”という働きかた』~全国のほぼひとりで運営される出版社。大変そう&楽しそう!刺激になります~
  • 『荒野の古本屋 (就職しないで生きるには21)』~東京・茅場町の古本店店主さんの人生語り。本好きとしては羨ましい生き方です~
  • 『あしたから出版社 (就職しないで生きるには21)』~一人出版社「夏葉社」島田さんの体験談を語った一冊。こんな生き方もあるんですね!~
  • 『活版印刷の本 凸凹感と活字を楽しむ かわいい活版印刷のデザイン帖』~人気クリエイターの「活版印刷」作品を多数掲載。唸るような素敵デザインの連続です!~
  • 『古典不要論への反撃!?書評劇場』~万葉学者・上野先生の古典・歴史中心の書評本。興味深い本がいっぱい!参考になりました!~
  • 『本で床は抜けるのか』~蔵書家ならではの悩みについて調べたルポ。筆者の大量の本はどうなる?引きこまれました!~
  • 『読まされ図書室』~女優・小林聡美さんが人から推薦された本を読み、感想を書き綴った一冊。いい企画ですね~
  • 『本の「使い方」 1万冊を血肉にした方法 (角川oneテーマ21)』~ライフネット生命CEOの読書術。硬派!本と真正面から対峙していて清々しいほどでした!~
  • 『自由に遊ぶDIYの本づくり リトルプレス! Zine! フリーペーパー!』~自分でフリーペーパーなどを作るノウハウと実例が詰まった一冊。具体的で分かりやすい!~


  • Twitterでフォローする
  • Facebookページを見る
  • Instagramを見る
  • ブログ記事の一覧を見る







メニューを表示
ページトップへ