2015-12-12
荒野の古本屋 (就職しないで生きるには21)
東京・茅場町の古本店店主さんの人生語り。本好きとしては羨ましい生き方です
晶文社さんの人気シリーズ「就職しないで生きるには」の一冊。著者は、東京・茅場町にある古書店&ギャラリー「森岡書店」の店主さん。就職した時期をはさみながらも、苦労の末、見事にご自身の店を成功させた体験談などが語られています。
このシリーズは、フリーランスの私のような人間には、共感できたりいろいろと考えさせられる内容で、少し前に小さな出版社「夏葉社」さんを取り上げた『あしたから出版社』(紹介記事)を読んでいます。
本好きな人間にとっては、親近感のもてる内容が多いのがいいんですよね。今回も楽しく(そして羨ましく思いながら)読了しました!
説明文:「およそ古書とは無縁と思える東京・茅場町、古びたビルの一室に“自分の砦”を築いてみた―オルタナティブ書店の旗手がつづる時代に流されない“生き方”と“働き方”!」
本書では、著者さんの3つの時代について語られています。
【1】大学を卒業後、何もしない期間(最低限のアルバイトをして、古本を読むこと・散歩をすることだけに集中する)
【2】神保町の老舗古本店「一誠堂書店」へ入社。様々な知識を吸収しながら数年過ごす
【3】現在の茅場町の店舗スペースに一目惚れして独立を決意する
「就職しないで生きるには」というテーマからはやや外れていますが、どの時期もユニークで面白いですね。どこかに倦怠感がありつつも、本に対する愛情だけは持ち続けている、いろいろとこじらせた方なのですが、よく人生を立て直したものだと感心したりします(笑)
古本屋として独立したい、というような方には、どこまで参考になるかはわかりませんが、「こんな生き方があるんだ」と読み手の心を軽くさせてくれますね。本好きな方はぜひ手にとってみて欲しい一冊です!