2015-06-20
郵貯探訪―〒めぐりで得たもの、思ったこと
「郵便局の窓口で貯金して局名ゴム印を押してもらう」という趣味。なかなか大変そうです
世の中にはたくさんのコレクション趣味がありますが、この本で紹介するのは「郵貯探訪」というもの。出向いた先の郵便局の窓口で通帳を出し、ある金額分だけ貯金をして、その横の欄に局名のゴム印を押してもらう、というもので、局名スタンプを集めている感覚のようです。名称はさまざまで、「貯金旅行」「郵貯訪問」などとも呼ばれたりするとか。
筆者は、大阪教育大学の名誉教授で、日本図書館協会の理事長時代に、出張がてら近場の郵便局をめぐっていたとか。
全国の郵便局の数は1万局を超えていて、中には全局を制覇した猛者もいるそうですが、筆者のコレクションは2千局ほど。本書内で「まだまだです」と謙遜なさっていますが、一般人から見たらとんでもないマニアさんですね(笑)
他の郵便趣味のように、郵送で依頼することもできないでしょうし、実際に郵便局へ立ち寄る必要がありますから、地道な努力の積み重ねです。そのエピソードや郵便局巡りの注意点など、筆者ならではの楽しみ方がエッセイ的に紹介されています。
また、単に数を増やすだけではなく、筆者は「干支」にこだわった楽しみ方も提案しています(局名スタンプとは関係なくなってますが)。その年の干支が名前に入った郵便局を見つけて写真を撮り、それを年賀状の図案として使用するのだとか。
「此花酉島郵便局」「佐倉大蛇郵便局」など、全国の郵便局を巡っているマニアさんならではのこだわりですね。
この本を読んで、「自分も始めてみようか」とはまったく思いませんでしたが(大変そうですし)、世の中にはいろんなことを楽しんでいる方がいらっしゃるんだと、こちらもちょっと楽しい気分になりました!