BOTTLIUM ボトリウム-手のひらサイズの小さな水槽-
小さな容器で水草・魚を飼育する「ボトリウム」の入門書。難しそうであり簡単そうであり
小さな容器に水草・魚などを共存させるアクアリウム「ボトリウム」について、初心者にも分かりやすく解説した一冊。ほんの小さなサイズの容器でも、定期的に水を入れ替えるだけで維持できる、擬似的な循環世界を実現します。この本は図書館に入っていたので、何気なく借りてみました。
説明文:「ボトリウムは食器や花瓶を利用し、水草や石をレイアウトするだけの、新感覚のアクアリウム。魚や貝類を飼うこともできます。メンテナンスは基本、水替えだけなので気軽に始められます。でも、なぜこんなことができるのでしょうか。ボトル内に“植えた"水草は水を浄化し、酸素を作り出します。貝類はボトルに付着した苔を食べ、貝のフンは土の中のバクテリアが分解し、水草の養分となります。そうです。小さなガラスの容器に地球の営みができるのです。本書では、この魅力的なボトリウムの作り方や飾り方、水草や、飼える魚の種類まで余すところなく紹介しています。」
重要な役割を果たすのは水草で、水の汚れを浄化し、酸素を作り出します。小さな魚を入れれば、いくらかのエサが必要になり、それがコケを発生させてしまいますが、水草が余分な栄養を吸収することによって、最低限に抑えられるのです。ちょっとしたインテリアとしては最適でしょう。
私は自宅に何年も水槽をキープし、魚や水草を育てているのでだいたい想像はできますが、小型の水槽を維持するほど難しいことはありません。ここに紹介されている作品を作ることは難しくありませんが、それを長く美しい状態で維持しようと思ったら、大変な労力でしょう。
魚を入れるとすれば、エサをやり過ぎればすぐにコケまみれになります。水量が少ないので、夏は急激に水温が上がりやすいですし、冬は水が大量に蒸発するため、こまめな足し水が必要です。丈夫な水草は成長も早く、あっという間に伸びすぎてしまいます。小さな水槽だから簡単そうに見えますが、実はまったく逆なんですよね。
そんな醒めた目で読んでいた私ですが、水槽の中に水草がゆらぐ光景はとても美しいですし、興味のある方はぜひ初めてみて欲しいと思います。決して簡単ではありませんし、長い期間ずっと世話をしていく覚悟も必要ですが、それもまた楽しいものです。出来れば、この本に掲載されているような小さなものではなく、もうちょっと大きなサイズのもので水槽デビューしてみてください(笑)