2015-01-28

ときめき昆虫学

専門家ではなく一般の虫好き目線から虫たちと向き合った一冊。「虫スイッチ」押されます!

大人気の「旅ブロガー」から、いつの間にか「虫ブロガー」に華麗な転身を遂げていた、著者のメレ山メレ子さんが、専門家目線ではなく、一般人の目線から虫たちと触れ合った一冊。虫を観察したり、捕まえたり、飼育したり、研究者に取材したり、手に載せたり、食べたり。虫たちを遊びつくした、とっても楽しい内容です!

Web文芸誌「マトグロッソ」の連載がもとになっていますが、そこに大幅に加筆をし、書き下ろしの章を加えて単行本化しています。


説明文:「いわゆる“虫屋”でも研究者でもない一介のOL・メレ山メレ子が、わたしたちの身近なところにいる20の虫について、日本、はたまた世界へ飛び出し体当たりで総力取材。等身大の言葉でもって語られる虫たちの、なんといとしきことよ…!あなたの中に眠る「虫スイッチ」を押す一冊、ついに誕生!」


それぞれの章ごとに、20の虫(の種類)が紹介されています。

チョウ・ハチ・アリ・クモ・ホタル・タマムシ・ダンゴムシ・トンボ・ガ・セミ・カイコ・ゲンゴロウ・クマムシ・バッタ・コガネムシ・カタツムリ・コオロギ・ダニ・オサムシ・ゴキブリ

いずれも身近な存在の虫たちですが、大人になるに連れて、なかなか手に触れたりしなくなりました。しかし、大人の色眼鏡を外してしまえば、子供のころに夢中になったかっこいい姿のままですし、不思議な生態をもった興味深い存在でもあります。

そうした虫たちを様々な角度で愛でるのはもちろん、その虫たちを囲む人たちにも注目すると、世界は一気に広がります。

特に面白いのは、クモ相撲に興じる人たちの様子だったり、一般的にはマイナーな昆虫を専門とする研究者さんたちの生態であったり。周りの人間たちの姿が興味深いです。一般人からみれば、いわゆる「虫屋」と呼ばれるような人たちはみな変わり者ですが、その様子が淡々と描写されていたりするのがいいですね。

文章もユニークでとても面白いですし、難度も高すぎず低すぎず、大人が知的好奇心をくすぐられながら読み進めるのにちょうどいいレベルでしょう。

「虫なんて大嫌い」という方にはお勧めしませんが……。

●表紙のカイコの成虫(真っ白いフワフワの蛾です)は意外と悪くない
●「素揚げした昆虫を食べる」と想像して胸焼けしない

そんな方はぜひこの本を手にとってみてください。メレ子さんの文章に引き込まれているうちに、自然と「虫スイッチ」が押されていくのが分かりますよ!



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