マイ京都慕情
みうらじゅんさんの極私的な京都ガイド。仏像からポルノまで思い出の土地を再訪しています
鬼才・みうらじゅんさんが、愛憎入り混じった故郷である「京都」の街を案内する、ごくごく私的なガイドブック。これまでに発表されたエッセイなどに登場したエピソードの舞台を再訪して、写真入りで紹介されていますから、みうらさんのファンであれば読んでおく価値はありますね。
説明文:「観光グルメガイド? いいえ、オレの極私的巡礼ブックです。「オレはこの街が大ッキライなんだ!」はんなり雅な故郷を飛び出して37年、その愛憎が今こそ明らかにされる! 泥団子を作った公園、仏像愛に目覚めた寺、青春をこじらせた映画館、連日食べ続けても飽きないたぬきうどんの名店……。誰も知らないオレだけの京都慕情の旅が始まる。オレの秘蔵写真や宝物とともにご案内しよう。」
みうらさんが案内する京都は、実家があった場所(すでに取り壊されています)、「落ちたらアウト」ルールで伝っていたご近所の石垣、通った小学校、むかし記念写真を撮った北野天満宮、仁和寺・蚕ノ社・東寺などの社寺、授業でマラソンをさせられた哲学の道、初めてポルノ映画を観た映画館、今も残るストリップ小屋など。
現在のその場所を再訪して思い出を語りながら、その当時の写真や資料(スクラップブックなど)を紹介していきます。紹介されるエピソードが、怪獣好きだったこと、フォークにはまって京都からプチ家出したこと、男子校で常に悶々としていたことなど、ダメな男子高校生の典型みたいなお話ばかりですから、とても共感できますね。
過去の思い出の場所をたどっていくこと自体も楽しいのですが、何十年もそれほど変わらない景色が残っている京都という街はすごいと思いますし、何十年も後に面白く辿れる手がかりとなるだけ遺産を残しているみうらさんもすごいですね!真似したくても出来ることじゃありません。
みうらさんファンの方以外にはまったくオススメしませんが、小説や映画『色即ぜねれいしょん』が好きな方はぜひ手にとってみて欲しいですね。