2013-05-23

石峰寺―若冲五百羅漢

江戸時代の画家「伊藤若冲」がデザインした五百羅漢石仏の写真集。心が落ち着きますね

京都府伏見区にある黄檗宗寺院「石峰寺(せきほうじ)」には、江戸時代中期の画家「伊藤若冲(いとうじゃくちゅう)」(Wikipedia)が晩年に住まい、その亡骸が埋葬されています。境内には、若冲が下図を描き、石工に掘らせたとされる「五百羅漢石像」が遺されており、本書はその姿を中心に写した写真集です。

写真集の前半は石峰寺の美しい四季の風景が、後半は五百羅漢石像の素朴でユーモラスな佇まいを写し取っています。

若冲は、自分が描いた絵が一枚売れるたびに、この石像を一体作っていたのだとか。当時は千体を超える数だったそうですが、現在は四百数十体が遺されるのみとなっているのだそうです。

江戸時代の人気絵師がわざわざ石仏をデザインしているのですから、どんな姿かと思えば、基本的にはどれもまろやかで穏やか。ややユーモラスな表情が見て取れます。笑っていたり、泣いているようであり、何体かくっついていたりと、さすがに独特の姿ですね。どんな思いで若冲がこれを作らせていたかと思うと、色々と想像が膨らみます。

私も、伊藤若冲のファンの端くれとして、いつかこの五百羅漢石像を拝みに行きたいと思っていたのですが、いつ頃だったか、マナーの悪いカメラ愛好家が多かったということから「五百羅漢の撮影禁止」となってしまっているのが残念な限りです。それを踏まえても、いつかお墓参りに行きたいですね。

そんな思いを強くしてくれた、とてもいい写真集でした。


『<$MTEntryTitle$>』より

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