日本人なら富士山に登ろう! 初心者のための安心・安全登山術
ブームの「富士山登山」の初心者向けの一冊。脳内に軽くドーパミンを放出できます
著作も多い女性登山家・田部井淳子さんが、今ブームになっている「富士山登山」だけに絞って書いた一冊。初心者でも登れるように、事前準備や訓練についてや、計画の立て方、装備内容など、分かりやすく解説しています。
各章のタイトルは、「富士山の魅力と楽しみ方」「富士山の前にウォーミングアップ」「富士山に登るための快適装備」「富士山をイメージする準備登山」「さあ、富士山に登ろう」「富士山の次はどこへ登る?」。準備からその後まで、至れり尽くせりですね。
なお、タイトルに「日本人なら」とありますから、ひょっとしたら富士信仰の歴史について触れられたりするのかと思ったりもしましたが、そういう記述は一切なく、純粋に登りたい方用の内容になっています(笑)
説明文:「目指すは日本一の山!登山経験はないけれど、一度は富士山に登ってみたいあなたのための、決定版入門。必要な道具選びから事前のトレーニング、失敗しない登山の方法、さらに環境に対する心得まで、富士山を知り尽くした著者がやさしく解説する。これから富士山に登ろうとする人、必読の1冊。読めばいますぐ登りたくなる。」
富士山登山というと、途中の山小屋へ一泊して、山頂からご来光を拝むために暗いうちから出発して、大渋滞の中をのろのろと進んで…というイメージがあります。一般人が登りやすい7月~8月の間は、実際に常にこんな感じのようですね。今のようなブームの間は仕方ないのかもしれませんが、そんな風潮には疑問を感じてしまいます。
筆者は、山頂からご来光を拝もうと思っても人が押し寄せてよく見えないのだから、無理せず出発を遅らせて、途中の見晴らしのいい場所から眺めるほうがいいと説いています。私などはテレビの映像で観るだけですが、確かに、山頂でぎゅうぎゅう詰めになって人の頭の間から必死になってご来光を拝むのもおかしなものですからね。筆者の提案は納得できるものでした。さすがベテランのいうセリフは説得力があります。
新書版なので文章量も手頃で読みやすいですが、ほとんどテキストなのでやや分かりづらい面もあります。実践編というよりも、富士登山へのテンションを上げる目的で読むのがいいかもしれません。
私などは具体的な富士山登山予定は全くありませんが、こんな本を読んでいると少しずつその気になってくるものです。「興味があるけど私には難しいかも…」と尻込みしている方は、こんな本を読むところから始めてもいいのかもしれませんね。