2012-07-14
ブックカフェものがたり―本とコーヒーのある店づくり
東京・大阪・京都のブックカフェオーナーへインタビュー。内容はやや古め
2005年に出版された、東京・大阪・京都のブックカフェのオーナーさんたちに話を聞いて回った一冊。それぞれ20ページ近いページが割かれていて、読み応えがありますね。ひと口に「ブックカフェ」といっても、お店それぞれで捉え方が違うのも面白いところです。カフェメインで本は自分の蔵書を置いた程度のところ、本の販売がメインでカフェの比率が低いところなど、個性があります。
冒頭には、大阪北堀江の『貸本喫茶ちょうちょぼっこ』さんが紹介されています。こちらは若い4人の女性店主が集まって始まったブックカフェですが、100円で本も貸してくれるという独特のスタイルのお店です。今ホームページを確認してみたら、どうやら近々閉店なさるとか。2001年オープンですから、もう使命を終えたのかもしれませんね。
また、第二章は「ブックカフェを始める、ブックカフェを続ける」として、より実践的なノウハウが公開されています。ここでは、2店舗の具体的な店舗戦略などが公開されていて、筆者のお一人が運営する大阪市西区の「Calo Bookshop & Cafe」と、東京麹町の「A/Z BOOKS & CAFE」(2007年に閉店したようです)が紹介されています。
…と、今から7年も前の本だけに仕方ないことですが、少し調べていくと閉店したお店も多く、やはり長く続けていくのは簡単なことではないんでしょう。
また、この本を読んでいて気になったのが、ブックカフェの定義が曖昧すぎること。普通のカフェで何本かの本が置いてある程度のカフェを、ブックカフェとするのはどうかと思います。しかし、そんなモヤモヤはあるにしても、切り口が面白くて本好きに楽しい内容でした。興味のある方は探してみてください。