2011-07-02
水の巡礼 (角川文庫)
田口ランディさんが聖地(天河弁財天、屋久島など)を巡るエッセイ
文庫化されて改題される前のタイトルが『聖地巡礼』。改題前の方が内容に近いです。田口ランディさんが、10の聖地(天河弁財天、屋久島、富士山、知床、出雲大社など)を巡るエッセイで、本文にはそんな言葉は登場しないと思いますが、「パワースポット」ブームに確実に一役かっている本でしょう。彼女の著書を拝読するのは初めてでしたが、私にはややヘビーでした(笑)
一緒に旅をするパートナーが、超能力者や霊媒師、ネイチャリスト、占い師など、そちら方面の個性的な方ばかり。著者さんは霊感などは一切無く、どなたかに心酔していることも無いようですので、決して行き過ぎたりしていませんが、スピリチャル系のエピソードに身構えてしまう私は、読んでいて居心地の悪さを感じました。土地の名前の音に惹かれて…など、聖地のセレクションも一貫性があるわけではありません。
「その場の空気と心が共鳴した」というような心理状態は理解できますが、決して心から共感はできませんでした。彼女の言動や心の動きは、いわゆる「女性的」な面も多いのかもしれませんね。