2014-09-19

鬼と行者さま

金峯山寺の絵本シリーズ第3弾。役行者と前鬼後鬼のお話を味のある絵で魅せてくれます

吉野山の世界遺産寺院「金峯山寺」が監修した絵本シリーズの第3弾。人間の子供をさらった鬼夫婦が、役行者に懲らしめられ、前鬼後鬼として付き従うようになったエピソードを絵本化しています。これは、毎年2月3日に金峯山寺で行われる「鬼の調伏式」という法要になっていて、「福はーうち、鬼もーうち」と、鬼を追い出さない豆まきでも有名です。


説明文:「鬼の目にも涙。一人ひとりの子どものかけがえのなさに気づく「アハ体験」が、悪人を善人に変える。子どもたちの脳を刺激し、他人への温かい目を育むすばらしいお話。金峯山寺シリーズ第3弾。」


昔話の中で、完全な悪役として描かれる鬼たちですが、本作では、もっと人間臭くなっています。食べ物が無くなってしまった鬼の夫婦は、子供たちがお腹を空かせていたため、仕方なく人間の子供をさらってきました。それを戒めるため、役行者は鬼の子供を一人だけ小さくして隠してしまいます。

ひと昔前とは違い、こうして「物事の善悪は単純ではない」というような見せ方をするお話も増えていると思いますが、この鬼の親子の姿は、それをシンプルに気づかせてくれます。お子さんたちの記憶にも残りやすいのではないでしょうか。

この絵本シリーズは、第1弾『蔵王さまと行者さま』、第2弾『蛙飛び』(紹介記事)と読んできましたが、本作も松田大児さんが絵を担当なさっています。シンプルな線と力強い色使いで、とてもパワーがあって、思わず大人も引き込まれてしまいます。額装して飾りたくなるような素敵な絵なんですよね。

節分の時期になったら、毎年思い出して読み返したい一冊でした!



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