2017-03-09

正倉院宝物: 181点鑑賞ガイド (とんぼの本)

正倉院宝物181点を厳選し、分かりやすく解説。バランスが見事な良書!

毎年秋に公開されてたくさんの観客が押し寄せる、奈良国立博物館の「正倉院展」。正倉院宝物181点を厳選し、それぞれの特徴などを分かりやすく解説した一冊です。

著者は、宮内庁正倉院事務所長の杉本一樹さん。これまでの著作でも、正倉院の間近にいる人ならではのエピソードなども披露していらっしゃいましたが、この本でもときに専門的に、ときに親しみやすく、その魅力を語っていらっしゃいます。



これぞ、美のオールスター! 正倉院展を10倍楽しめる必携ガイド。奈良の都にもたらされた約9000点もの国際色豊かな工芸品や文物のなかから、その宝物すべてを誰よりも身近に知る著者が、聖武天皇遺愛の調度や生活道具、楽器、遊戯具、文房具、仏具、染織品などアイテムごとに厳選。見どころや細部までわかりやすく紹介する、これぞ決定版! 全点鑑賞制覇をめざすためのチェックリスト付き。

「内容紹介」より


私自身、正倉院宝物に関する書籍は何冊も読んで来て、図鑑のように分厚い『正倉院美術館 ザ・ベストコレクション』(紹介記事)は手元に置いてますし、図版の大きな『正倉院の世界 (別冊太陽 日本のこころ)』や各年の図録なども定期的に目を通しています。

そんな中でも、画像と解説のバランス、手頃さやわかりやすさでは、この本がトップクラスかもしれません。見ているだけで楽しめますし、初心者さんから楽しめるでしょう。160ページでお値段2,160円(税込)しますが、それ以上の価値はあると思います。

巻末についてる「全点鑑賞制覇をめざすためのチェックリスト」も、意外と便利なのかも。いつの間にか実際に見たものと、本で見かけたものの区別が曖昧になっているので、毎年、記憶を整理したいと思っていたんですよね。

手元に置いておいて定期的にぱらぱらっとページをめくりたくなる一冊です。興味のあるかたはぜひ!

●自分メモ
聖武天皇の宸筆として確実なものは、正倉院に収められている『雑集』、そして静岡・平田寺の『聖武天皇勅書』(国宝)の中の「勅」の1字のみなのだとか。(「宸翰 - Wikipedia」に画像あり)



【正倉院宝物: 181点鑑賞ガイド (とんぼの本)】の関連記事

  • 『彼岸の図書館: ぼくたちの「移住」のかたち』~東吉野村の私設図書館オーナーご夫妻の移住生活。自分の居場所について考えさせられる良書です~
  • 『馬姫様と鹿王子 1巻 (ヤングキングコミックス)』~奈良×仏像にファンタジー風味をプラス。作者さんの奈良愛が溢れる楽しい作品です!~
  • 『いじめられたお姫さま 中将姫物語』~當麻曼荼羅を織り上げた中将姫の物語を分かりやすく。大人も子どもも楽しめます。~
  • 『龍華記』~澤田瞳子さんの「南都焼討」がテーマの歴史小説。意外な展開に引き込まれます!~
  • 『孤鷹の天 (徳間文庫) 』~平城京にあった学問所・大学寮が舞台。歴史小説家・澤田瞳子さんのデビュー作!~
  • 『あをによし、それもよし 1 (ヤングジャンプコミックス)』~奈良時代へタイムスリップした山上(憶良)主役のコメディ。面白い!古代好きはぜひ!~
  • 『天誅組―その道を巡る (京阪奈新書)』~奈良県内を中心に「天誅組」ゆかりの地をまとめたディープなガイドブック~
  • 『ならしかたなし 1 (花とゆめCOMICS)』~大仏顔の女子高生とクールな鹿。奈良を舞台にしたシュールなコメディー漫画!~
  • 『平城京のごみ図鑑 最新研究でみえてくる奈良時代の暮らし』~平城京の“ごみ”から見えるリアルな奈良時代。分かりやすくて面白い良書です!~
  • 『古墳空中探訪 奈良編』~奈良の古墳の空撮写真集。時代ごとの環境の変化も見られ、空中散歩の妄想が広がります~
  • 『DEER LAND -誰も知らない鹿の国-』~鹿たちの姿を印象的に切り取った素晴らしい写真集。奈良好きな方は必見です!~
  • 『沈黙する伝承―川上村における南朝皇胤追慕 (あをによし文庫)』~資料を読み解き「後南朝」の人々がよりリアルに。読み応えのある良書です!~


  • Twitterでフォローする
  • Facebookページを見る
  • Instagramを見る
  • ブログ記事の一覧を見る







メニューを表示
ページトップへ