奈良の朝歩き、宵遊び (奈良を愉しむ)
奈良の美しい朝、しっとりした夜。古都の新たな魅力に気づく一冊
京都・淡交社さんが続けている「奈良を愉しむ」シリーズの一冊。かつて奈良で発行されていた『あかい奈良』の元編集長であり、現在は「NPO法人 文化創造アルカ」の代表としてご活躍中の倉橋みどりさんのご著書です。
奈良の観光案内書は数多く出版されていますが、こうして朝夕夜の時間帯ごとにわけて紹介されたものは初めてではないでしょうか?奈良を訪れる旅行者のかたに役立つばかりではなく、こういった時間帯にあまり地元を出歩かない私のような奈良県民にとっても役立つ情報がいっぱいでした!
説明文:「朝、夕、夜の時間帯ごとに古都奈良の魅力をもっと深く味わうことのできる、50のスポット・シーンを案内します。」
●第一章 朝の奈良で、深呼吸
飛火野の鹿寄せ、春日山ウォーキング、東大寺散策、初夏の蓮めぐりなど
●第二章 奈良ならではの宿と朝ごはん
老舗旅館、町家の宿、ホテル、宿坊で泊まっていただく朝食など(江戸三、ホテル日航奈良、小さなホテル奈良倶楽部、奈良町宿 紀寺の家など)
●第三章 美しき奈良の夕暮れ
石舞台、斑鳩の道、二上山、檜原神社、猿沢池の黄昏、大宿所の音など
●第四章 奈良の夜は静かに更けて
春日大社の万燈籠、若草山山焼き、3つの修二会、氷室神社氷献灯など
●第五章 奈良でとっておきの夜ごはん
奈良市内の著者お気に入りのお店の紹介(秋篠の森なず菜、イ・ルンガ、コトコト、ことのまあかりなど)
「奈良は夜が早くて面白くない」というような評判を耳にしたりすることも多々ありますが、夜に遊び歩くだけが楽しみでもありません。本書で紹介されているような、奈良らしい厳かでしっとりした夜を味わうのもいいものです。また、早く床について朝から奈良散策するのが最高の贅沢ですね!
奈良の良さを知り尽くした倉橋さんのやわらかい文章と、美しいお写真で、奈良の新たな一面が発見できるでしょう。ぱらぱらっと流し読みしても楽しいですし、観光ガイド本としても十分に役立ちます。奈良好きなかたはぜひ!
奈良は朝がいちばん、という人もいれば、奈良の夜なんてつまらない、という人もいます。でも、もう少しゆっくりと奈良を訪ねてみれば、朝も夜も、日中とは違った愉しみにあふれています。本書ではそうした古都奈良の魅力をより深く味わうことのできる、朝・夕・夜の時間帯に特化して見どころを紹介、著者といっしょにそぞろ歩いているように案内します。朝の散策のすすめや夕景・夜景の楽しみなどのようにいつでも出かけられる場所をはじめ、季節、日時を限定して行われている行事も紹介、さらには宿と朝ごはんについても一章を設け、幅のある観光・散策プランが立てられるような内容になっています。是非本書を手に、ゆったりとした奈良の時間を過ごしに出かけてみてはいかがでしょう。
淡交社 公式ページより