よみがえるケイブンシャの大百科
分厚い単行本サイズの「ケイブンシャの大百科」を大量に紹介。少年を夢中にさせた元祖サブカル!
70~80年台の少年少女たちを夢中にさせた「ケイブンシャの大百科」シリーズ。文庫本サイズで分厚く、特撮ヒーローからプロ野球、アイドル、鉄道、アニメ、動物など、あらゆるネタを取り上げていました。最終的に777冊までが確認されているそうですが、発行元の勁文社は2002年に倒産してしまっています。
そんな膨大なケイブンシャの大百科シリーズの、昭和時代に発行されたものを紹介しているのが本書です(平成以降は巻末リストに)。私自身も何冊も持っていましたし、これは懐かしい!感動しますね!
説明文:「ウルトラマン、仮面ライダー、999、宇宙戦艦ヤマト、機動戦士ガンダム、アイドル、プロ野球、ファミコン、心霊写真、戦隊もの、鉄道…ぼくらの好きなものが全部詰まっていた、あの分厚い豆本シリーズ。いつの間にか消えてしまった「元祖サブカル」がここに復活!!」
このシリーズは、一冊だいたい650円くらい。当時はなかなかお小遣いで気軽に買えるようなものではなく、どこかへ出かける際にぐずらないように……と、親から買い与えてもらった記憶があります。乗り物や怪獣、銀河鉄道999などのアニメ物などを持っていて、宝物のように何度も読み返しました。
この小さく分厚く子供たちの好きなものだけをギュッと濃縮したようなシリーズは、今思えば、紹介文にもあるように「元祖サブカル」だったのかもしれません。
当時は子供でしたから、好きな巻にしか目が行っていませんでしたが、こういう本で全体を俯瞰すると、テーマが豊富なことに驚きます。変わったところでは、「手作りおもちゃ大百科」「松本零士大百科」「拳銃マシンガン大百科」「野菊の墓大百科」(※松田聖子さん主演映画)「エチケットマナー大百科」「水野晴郎の世界のポリス大百科」「THEタケちゃんマン大百科」「ウンチの大百科「ユン・ピョウ チャンピオン鷹大百科」など、よく企画が通ったなというものも少なくありません。
また、編集の内部事情のエピソードも面白くて、ガンダムの回などはマニアな学生数名が集まって、子供がついてこれないようなマニアックなネタを散りばめ、それでも百万部以上を売り上げたのだとか!タイトルだけ決まっていてライターに丸投げされるシステムだったようで、表記ゆれが大量に見つかったり、とんでもない誤植もたくさんあったそうです。いい意味でも悪い意味でも、当時の空気が伝わってきますね。
ばらばらと眺めているだけでも、時代の移り変わりが感じられてとても楽しいです。ぜひ手にとってみてください!