2014-09-08

俳人の大和路 (ショトル・トラベル)

松尾芭蕉・正岡子規・水原秋桜子・水原秋桜子など、奈良を詠んだ俳人たちを紹介した一冊

奈良を吟行した俳人、または奈良在住の俳人たちの作品を紹介した一冊。雑誌「サライ」の特集記事を単行本化したもので、文学者を取り上げた『文士の大和路』の続編のような内容です。

私は俳句に関してはまったく知識はありませんが、松尾芭蕉や正岡子規など、教科書に必ず名前が載っているような方たちの作品はもちろん、この本で初めて名前を知ったような方もいて、とても興味深かったです。


説明文:「日本人の心の故郷・大和路は正岡子規や水原秋桜子など、日本を代表する俳人たちがこぞって訪れ、たくさんの名句を残した地でもあります。本書は『サライ』誌上で好評を博した「俳人が歩いた大和路」に大幅に加筆修正を加え、新たに芭蕉の歩いた峠の道、大和への道、吉野の道などを詳細地図とともに新たに書き下ろしました。更に、名刹の仏像を詠む、奈良の祭りを詠む、などの項目を新たに収録し、さらには、俳人たちの息づかいが聞こえてくるような豊富なコラムに写真、細密な地図などを加え、今も日本人の心をひきつけてやまない「まほろばの里」を、名句を味わいながら散策するための必携のガイドブックとなっています。」


紹介されているのは、正岡子規、水原秋桜子、山口誓子、橋本多佳子、細見綾子、松瀬青々、阿波野青畝、原石鼎、高浜虚子、松尾芭蕉の10名の俳人たち。それぞれが奈良を詠んだ名句とともに、人となり、歌が詠まれた背景などを解説していきます。

万葉集の発祥の地だけに、奈良を題材とした短歌はよく耳にしますが、古くから文化人に愛された奈良の土地だけに、たくさんの方が吟行にきているんですね。

有名な正岡子規の「柿くへば 鐘が鳴るなり 法隆寺」では、じつは柿を食べながら聞いた鐘の音は、法隆寺のものではなく、東大寺のものだったかも……というエピソードなどを交えつつ、楽しく読めました。

個人的には、阿波野青畝さんの「葛城の 山懐に 寝釈迦かな」「三輪山は 玉と鎮みぬ 星月夜」という句が好きでした。この方の作品を調べてみたいと思います。



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