昭和少年SF大図鑑 (らんぷの本)
昭和の少年誌の空想科学特集などを再録したもの。いかにも昭和的な近未来がかっこいい!
昭和20年~40年頃の、少年雑誌に描かれた「空想科学特集」などの内容を紹介したもの。私もこの世代ですから(昭和44年生まれ)こういった世界観はとても懐かしく、今でも胸踊りますね。絵を見ているだけでも楽しいですし、読み物としてもとても面白い内容でした。
説明文:「誰もが自由に行ける宇宙。空を飛ぶ乗り物や、流線型の高速車が走り、超高層ビルが立ち並ぶ未来都市。宇宙からの侵略者や怪獣と科学兵器を駆使して戦うスーパーヒーロー。小松崎茂、伊藤展安、梶田達二、高荷義之、中島章作、中西立太、南村喬之らが描いた未来予想図、冒険科学絵物語。SFマンガ、少年少女SF全集―あの頃夢中になった空想科学の世界満載。」
本書の第1章では、「少年たちは未来を夢見る」と題し、当時の雑誌に掲載され話題になった、未来人の生活・未来都市・カーライフ・超特急・飛行機・超化学兵器・ロボットなどを描いた作品を紹介していきます。どれも昭和っぽさが漂う懐かしい絵柄と発想で、まぁ楽しいです!
昭和40年代に入ると、ここにウルトラマンなどの特撮ヒーローものの企画なども加わってくるんですね。私自身も、こうした近未来を描いた空想科学ものや、怪獣の体内の作りが見えるようになった図、悪役の秘密基地の断面図など、空想と妄想の世界が大好きでしたから、どれも本当に懐かしいです。
第2章の「雑誌を彩った挿絵画家」として、当時活躍していたイラストレーターの方たちを紹介しているのも面白かったです。この手の作品では、圧倒的に小松崎茂さんが有名ですが、中島章作さんや伊藤展安さんなど、7名のアーティストさんの作品と略歴が紹介されています。それぞれに画風や得意分野が違っていたりするのも面白いですね。
第3章では、「SFブーム到来」として、絵物語・マンガ・雑誌広告・戦前の作品など、少年少女向けSFの世界を紹介しています。とても貴重な資料ばかりです。
とにかく、難しいことを考えずとも、ただただ懐かしさと楽しさで、ニヤニヤしながら一気に読了しました。
「今ソ連で開発中の」「もうすぐアメリカで商品化される」といった謳い文句が効果を発揮していた時代には、21世紀になれば宇宙旅行も空を飛ぶ車も実現しているかと思っていたんですが、未来を予想するのは難しいですね(笑)