奈良「地理・地名・地図」の謎 (じっぴコンパクト新書)
奈良まほろばソムリエの会が監修した、奈良の歴史と不思議が詰まった一冊。面白いです!
各都道府県のちょっと意外な歴史を紹介する人気シリーズの一冊。奈良版は、NPO法人「奈良まほろばソムリエの会」が監修を務め、社寺や地名のルーツ、信仰・伝説など、78の奈良の謎を紹介しています。
「一年の半分以上が雨の日!という不思議な土地がある!?」
「大和と難波を結ぶ、地図に隠された巨大な道があった」
「なぜ、平城京には大極殿の跡がふたつもあるのか」
「ピアノ所有率全国トップクラスなのには地理的理由がある!?」
など、とても興味深い項目が並んでいますね。
説明文:「奈良の魅力が深まる知的ガイドブック!古刹に残された謎、古代王朝から伝わる信仰など、意外な歴史のエピソードを中心に集め、奈良県の「今」もわかってしまう一冊。奈良県人も驚く、観光するだけではわからない雑学ネタ満載の本。」
本書は、おおまかに古刹・古代王朝・信仰や伝説・地名・現代という、全5章に分かれています。私も奈良検定1級に合格していますし、それなりにこういった情報には興味を持って調べていますが、それでも知らなかった雑学などがいくつも見つかりました。
例えば、「廃仏毀釈で寺が全滅したとされる十津川村にふたつだけ寺があった!」という項目。かつては54もの寺がありましたが、尊王の気風が強い土地柄のため、明治時代にすべて廃され、村民全員が玉置神社の氏子になりました(ここまでは私も知っていました)。
そんな十津川村ですが、地域の方たちが建てた建物で「光明寺」が。さらに、檀家の一人が隠し持っていた仏像2体を祀る「龍泉寺」というお寺が再建されているのだそうです。さらに、十津川村歴史民族資料館では、廃仏毀釈の後に改築され、小学校として使われていた建物の屋根裏から見つかった4体の仏像が展示されているとか。興味深いですね。
また、「近鉄奈良駅に建っている行基像、実は三体ある!」「JR奈良駅と近鉄奈良駅は、なぜ離れた場所に建てられたのか?」など、現在の奈良についての項目も面白かったです。古都・奈良をさまざまな角度から掘り下げてくれる、とても楽しい内容でした。
ちなみに、普段はあまりこういった本には興味を示さないウチの奥さんも、この本は最後まで楽しく読了したそうです。難易度が適度で、難しすぎず分かりやすいのがいいですね。
全国の書店で手に入ると思いますので、奈良好きな方はぜひご覧ください!