御所歴史読本―読む・見る・歩くおとなのための街歩きガイドブック (別冊歴史読本 1)
丸ごと「御所市」!歴史読本とタイアップしたディープな一冊です。全国で買えますのでぜひ!
月刊誌「歴史読本」の別冊として2013年6月末に発売された、奈良県御所市のみにスポットライトを当てた、ディープな一冊。奈良県内はもちろん、全国の書店やネットショップでも購入できます。
歴史読本では、これまで横須賀・出雲・会津・熊本・呉江田島という別冊が登場してきましたが、その新刊として御所市とのタイアップ企画が実現しました。他の街と比べるとかなり範囲が狭く、時代的にも古代に偏りますが、私のような地元在住の古代史好きからすると、かなり楽しめました!
歴史ロマンあふれる御所市の魅力が詰まった歴史・観光ガイドブック「御所歴史読本」(A5判、192ページ)が、中経出版から発刊された。発刊には市観光協会がタイアップした。同出版が手がけ、歴史愛好家たちの間で人気を誇る月刊誌「歴史読本」の別冊で、「横須賀」「出雲国」などに次ぐ6冊目。古代豪族「葛城氏」のふるさとを、古代・中世・近世に分けて紹介。役行者(えんのぎょうじゃ)や葛城・鴨にスポットを当て、深く掘り下げるなど読み応えがある本になっている。御所市ゆかりの作家・経済評論家の堺屋太一さんら著名人のインタビューや、高鴨神社の鈴鹿義胤宮司など市内で活躍している7人の話、史跡・観光スポットガイドなども紹介している。
毎日.jp「ガイドブック:魅力たっぷり「御所歴史読本」発刊 史跡・観光スポットも紹介 /奈良」より
本書は「おとなのための街歩きガイドブック」と銘打たれており、御所の歴史を深く掘り下げ、実際に御所の街を歩いて楽しめる内容になっています。キーワードを拾っていくと、謎の巨大遺跡・白洲正子がみた御所・蘇我市興隆の地・入江泰吉・役小角・天孫降臨・鴨氏と賀茂氏・一言主神・葛城古道などなど、とにかく贅沢ですね!
「奈良でもっとも神話の世界が味わえる場所」「古代豪族 葛城氏のふるさと」というキャッチコピーを観ただけで、その内容は伝わってきます。古代の日本の中心部であり、高天原の伝承地があったりする土地柄ですから、この切り口になるのも当然でしょう。実際に記事内容を読んでみると、古代史の知識が無い方にはかなり難しすぎると思いますが、奈良の、そして御所のエリアの雰囲気がお好きな方には、十分に響くでしょう。
また、冒頭から御所市と縁が深い堺屋太一さんが登場したり、御所市出身の歌手・田中星児さん、元プロ野球選手・吉村禎章さんのインタビューが掲載されたりするのも面白いですね。高鴨神社の宮司さん、船宿寺や吉祥草寺、九品寺のご住職、三光丸の社長、自宅から水泥古墳が見つかったご夫婦などからもお話を聞いています。
マップ付きの観光コースの提案や、宿や食事処の案内があったりしますが、決してそれがメインではありません。前半に紹介される歴史的に価値のあるスポットを巡るための手段として、簡単に紹介されています。
他の別冊のことは分かりませんが、御所市くらいの規模の街であれば、このくらい史跡や社寺を重点的に紹介した方がバランスがいいでしょうね。食や温泉はついで…くらいなのが、かえって好感が持てました(笑)
もちろん、誰にでもおすすめできる内容ではありませんが、古代史がお好きな方、御所市のどこかしら神さびた雰囲気に惹かれる方は、ぜひ探してみてください!