秘境駅
周囲に道も民家もない「秘境駅」の魅力が存分に伝わる写真集。想像を超えた世界です
民家から遠く離れたところにポツリと存在する「秘境駅」の写真集。この言葉の生みの親でもある牛山隆信さんの共著です。鉄道には全く無縁の私ですが、この秘境駅のジャンルは意外と好きで、CSで放送されている同内容の番組を観ていたりもしました。この写真集でも、「何でこんなところに駅があるの?」という新鮮な驚きが連続します!
紹介文:「周りに人家がまったくないため、利用者がほとんどおらず、駅に通じる道もない駅。そんな鉄道でしか到達できない駅を「秘境駅」と名付け、秘境駅を捜し求めて全国をめぐる牛山隆信による、秘境駅の写真集。人里から離れた深い山奥にぽつんと存在する秘境駅の姿を、肥薩線や飯田線、宗谷本線などから厳選して27駅収録しています。巻末には、実際に秘境駅を訪れるためのガイドとして、秘境駅の見つけ方やアクセス方法、必要な装備なども掲載。鉄道旅を、さらに楽しめるようになる一冊です。」
ちなみに、この写真集は好評だったようで、『秘境駅II』『秘境駅III』という続編も登場していて、3冊合計で80ほどの秘境駅が紹介されています。
筆者は、個人的に200ほどの駅を「秘境駅ランキング」としてランク付けしていますが、その上位ともなると、駅までの道が舗装されていない、駅の近くに民家はないというのも当たり前なんですね。近畿エリアにもとんでもない山深いところに駅があったりするはずですが、ここではほとんど登場しません。フッと思い浮かぶような近くにある寂れた駅レベルの話ではなく、人間が辿り着くのが困難なほどの秘境駅がずらりと並ぶのです。
普通に考えれば、秘境駅が誕生する過程は「小さな集落の近くに駅ができて過疎化した」というパターンを思い浮かべますが、それではなかなかランキングの上位には入りません。「山奥の信号駅や貨物駅として作られ、その後不要となって秘境化」というタイプが多いようです。鉄道会社の施設があって駅として登録したものの、技術の進化によって不要となり、誰も人が住んでいないにも関わらず電車だけは停まる。不思議なものですね。
駅舎や線路などの人工物が自然に侵食されていく姿も儚げで美しいですし、なぜ秘境駅となったのかという簡単な解説もついているので、読み物としても面白いです。興味のある方はぜひ手にとってみてください!