2012-11-01
遺したい日本の風景7 学び舎 (遺したい日本の風景 7)
風景写真協会の会員が撮影した「学び舎」の写真集。消えゆく日本の美しい風景です
「風景写真協会」の全国会員からテーマごとに写真を募った「遺したい日本の風景」シリーズ。「学び舎」は、その第7弾となります。道・駅舎・海岸・山村・橋・古民家などのテーマなどがあり、郷愁を感じさせる日本の風景を発表してきました。
全国の写真家から寄せられた小学校から大学までの学び舎の写真たちは、どれも懐かしさがあふれるようなものばかりです。レトロな木造建築のものも少なくありませんが、その多くは廃校となって他の用途で使われていたりするようです。少子化の今、こうした建物はどんどん役割を終えて取り壊されていくのかと思うと寂しいですね。
本書では、北から順番に90ヶ所ほどの作品が収められています。パラパラッと見ていくには楽しいのですが、大判の写真に簡単な撮影メモ、撮影機材の情報が入るだけなので、特に分類されていたりもせず、やや物足りない感がありました。イラストなどを描いている方の素材として、気楽にページをめくれる写真集としてはいいですが、もう少し深い情報を欲しい方には不向きでしょう。
とはいえ、消えゆくものを撮影したこのような写真集は、今後ますます貴重さを増していくでしょう。こういった作品集が発刊されていること自体に価値があるのかもしれませんね。