なら工房街道―8つの道から始まるものづくりの旅
奈良県内の約70の工房を紹介。体験や見学など、職人さんとの距離感が縮まります
奈良県内の11市町村のエリアで「ものづくり」をしている約70の工房を紹介する一冊。奈良の伝統工芸や物作り職人などを紹介する「工房街道」さんの著作です。
奈良県内の山間部には、特産品の吉野杉を使った木工細工だったり、紙すきや陶芸などの伝統工芸が今なお続いています。さらに、この地域に惹かれて移住したアーティストも少なくなく、200を越える工房が存在しているとか。
そういった工房が多いというのは知っていましたが、本になって改めて見てみると、そのバラエティーの豊かさに驚かされます。伝統に根ざした方、自然素材に惹かれて工房を移した方、静かな制作環境を求めてやってきた方など、タイプは様々ですが、こうして順番に見ていくと迫力がありますね。
切り絵・陶芸・ガラス細工・竹細工・染物・絵画教室・仏像彫刻・家具製作・金属造形・刀匠・奈良筆づくり・薬草園・和紙・木工・三宝造り・エッセンシャルオイルなど。奈良県内にはこんな工房たちが存在するのです。それらの工房の人と成りたちが紹介されているのと同時に、見学したり、体験したり、商品を購入したりという情報が掲載されていますので、気になった作家さんにすぐにでも近づくことができますね。さらにはこだわりの特産品などをいただける飲食店も取り上げられていますので、ちょっとしたドライブマップとしても使えるでしょう。
なお、ものづくり体験イベントなどを開催している工房も多く、それらがネットワークで繋がることで、新たな観光ツアーコースとなっているのだとか。手仕事を大事にする職人さんたちとの付き合い方は、商品の売り買いだけではなくなってきています。新たな魅力を創造できたことで、より良い関係が生まれてくるのでしょう。
本書はその架け橋ともなる内容ですので、幅広い方に手にとって欲しいですね。全国の書店でも購入できるそうですので、ぜひ探してみてください!