関西周辺登山口ガイド〈下〉和歌山県・奈良県・三重県
奈良を中心に257ヶ所の「登山口」情報を集めた一冊。マイカー登山派には超便利!
奈良・和歌山・三重の257ヶ所の「登山口」の情報だけを集めた、かなり特異で、かなり便利な一冊。「全国登山口調査会」という団体によって情報がまとめられています。
この本の特殊なところは、山に登ることではなく、登山口がどうなっているのかという一点だけに絞ったガイドになっていることです。同会のホームページにその趣旨が書かれていますので引用します。
「今日、ガイドブックやインターネットで、登山道や山小屋などの山岳情報は容易に得ることができますが、残念ながら登山口に何があって何がないのか、詳しく知る手段はほとんどありません。登山口に至る未舗装林道は普通車でも通れる? 有料道路は深夜や早朝でも通れる? 最寄りのICからの距離・時間は? 駐車場は広い狭い? 駐車場が満車になることはある? 有料駐車場は深夜や早朝でも出入りできる? トイレはある? 携帯電話は通じる? 登山届入れはある? 近くに立ち寄り湯はある?…等々。登山者なら誰しも、これらの情報をあらかじめ知りたいはず。そんな思いから全国に無数に存在する登山口を徹底的に調査しようと考えたのが、本会誕生のきっかけです。」
山登りの本は、標高やルートなどの情報は掲載されていますが、主に公共交通機関を利用するようになっていて、最寄りのバス停からのコースが紹介されていることが多いものです。しかし、自家用車で移動する場合、どこに車を停めるか、そこにトイレや自販機はあるか、携帯電話は通じるかといった情報こそ知りたいもの。本書では、そんな用途に絞っているため、とても実用的ですね。ただし、山に入った後の情報は全く削られていますので、他の登山ガイドブックと併用する必要があります。
(私は大した山は登りませんが、ヤマケイの「改訂版 奈良県の山 (新・分県登山ガイド)」を参考にしています)
例えば、御所市の金剛山の場合だと、紹介されているのは「天ヶ滝道登山口」と「金剛山・高天彦神社」の2ヶ所です。どちらも駐車スペースや混雑状況などが詳細にリポートされていて、計画を立てやすいですね。もちろん、より本格的な登山コースになる大峰山脈や台高山脈などについても同様のレポートがあります。車の場合、どこから入山すればいいのか分かりづらいので、この本の情報は有益ですね。
なお、2011年の台風被害によって登山道が寸断されている場所も多く、本書では「未掲載登山口」として最後にまとめられています。
姉妹編として、「関西周辺登山口ガイド 上 兵庫県・大阪府・京都府・滋賀県」も発売されていますので、必要と感じる方は合わせてどうぞ!