2012-03-24
日本万国博覧会 パビリオン制服図鑑---EXPO’70 GIRLS COLLECTION (らんぷの本)
大阪万博の制服画像が多数。コスプレ的ではなく服飾系寄りです
1970年の大阪万博の各パビリオンの制服画像を集めた一冊。とはいえ、コスプレ的な視点ではなく、服飾系の方に読んで欲しい内容になっています。日本側が運営していた22のパビリオンのコンパニオンの制服が、見開き2ページに掲載され、パビリオンの内容とユニフォームのデザイン者やその意図などが解説されています。
大阪万博の1970年前後は、ミニスカートやパンタロンなど、スリムなスタイルが主流になっていました。日航のジャンボジェットが就航してそのユニフォームが話題となったり、銀行の制服がピエール・カルダンのものになってOLから大人気となったりしたのだそうです。ちょうど最近リバイバルされているスタイルも多く、今見ても近未来的であり、不思議な良さが感じられるデザインが多いんですよね。全体的にやや古臭さは感じるものの、今にも通用するコンセプトだと思います。
その当時は、デザインコンペの中心は百貨店でした。万博全体の調和を考えながら独創的なものを…という難しい注文に応えていったのだそうです。全体的に見て行くと、この当時からコシノジュンコさんの作品(3つのパビリオンの制服をデザインしています)は、インパクトがあるんですね。未来的なものの中でも、特に際立っています。見比べていくと面白いですね。
また、「万国博の遺産」と題して、万博の建物や展示品が今でも観られる場所についての記載もありますが、これも面白かったですね。奈良でいえば、東大寺(古河パビリオンの七重の塔の相輪)、元興寺(ネパール館の飾り窓)などが見られます。
ファッションから万博を見つめ直してみるのも楽しいものですから、興味がある方はどうぞ。