2012-02-26
あすか夢販売所は新鮮直売所 (ルネッサンスBOOKS)
明日香村の村営の農産物直売所の細腕繁盛記!
奈良県明日香村の飛鳥駅前にある、農産物直売所「あすか夢販売所」のオープンからの記録です。1999年4月にスタートした施設で、2005年には建物をリニューアルしています。本書は2006年の発売ともう6年も前になりますが、今でも内容は全く古びていません。
地元の野菜を販売する「農産物直売所」では、大量仕入れのスーパーなどとは全く違う苦労があります。仕入れ量が一定しなかったり、野菜を持ち込む農家さんによって価格設定への想定ラインが全く違ったり。また、例えば大根を販売するにしても、スーパーのように全ての農家さんのものを一箇所に集めてしまえば、買い回りには便利ですが、農家さんそれぞれの違いが伝わりにくくなります。お安く新鮮な野菜が手に入る農産物直売所ですが、持ち込まれる野菜の品質を維持するためには、大変なオペレーションが必要となるのです。
2006年には、何と「2.15億」という売上を記録しているそうですので、これはもう大成功でしょう。明日香村という土地は、色んな意味で特殊ですが、きっと今頃は日本全国で同様の成功例が出ているんでしょうね。
ちなみに、私も奈良へ移住してきたばかりの頃、ここには何度もお邪魔しました。その当時はやや粗末な建物で、こんなものが観光地の駅前にあることにも驚きましたし、明日香村という場所で様々な野菜類が栽培されているという事実にも驚いたものでした。リニューアルしてからは一度くらいしか入店していませんが、この本を読んだ後には、何気なく見逃していた店舗内の細部まで、興味深く楽しめると思います。
飛鳥ファンの方は機会があったら手にとってみてください。奈良県内の図書館であれば所蔵していると思います!