2011-07-28

うつろいの大和―入江泰吉作品と今

昭和20年代頃の40年後。奈良の変化を見比べた面白い作品です

奈良の風景や仏像を愛した写真家・入江泰吉さんは、昭和20年代~30年代の奈良の町角の風景を撮影しています。約40年後にその風景がどう変化したのか、同じ場所へ行って、同じアングルから撮影したのがこの本です。1992年、朝日新聞の奈良版に連載開始し、それとほぼ同じ時期に入江さんが亡くなられてしまったのだとか。

今から半世紀も前の、昭和30年前後の奈良の風景が懐かしいのはもちろんですが、その場所を追った、今から約15年前の平成4年の風景ですらすでに懐かしさが感じられます。私は全く知りませんでしたが、この当時、マツクイムシの被害が出て、お寺などの立派な松の木がどんどんダメになってしまったのだとか。古い景観の敵は開発だけではないんですね。

見ていて思ったことですが、橿原市周辺の光景が最も変化が大きいこと。そして、明日香村は驚くほど古い景観が遺されていることでした。飛鳥の方たちが必死に守ってきた風景は、本当に貴重なものだったと感動してしまいます。

なお、つい先日、『昭和の奈良大和路 入江泰吉の原風景』 http://goo.gl/KoEl8 を読んだ時、入江さんが撮影した懐かしい風景と、今の風景を見比べたいと思ったものです。そんな私が思いつくようなことは、もうすでに実行している方がいらっしゃいましたね(笑)

古い本ですから、まずは図書館で探してみてください。Amazonにも何点か中古が出品されているようですので、古き良き奈良を味わってみてください。


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