ノルウェイの森 【スペシャル・エディション2枚組】 [DVD]
大好きな作品の映画化。個人的にはアリだと思います!
レンタルで映画「ノルウェイの森」鑑賞。興味深い内容でしたので、感想を残しておきます(※ネタバレ含む)。
私は村上春樹さんの大ファンで、ノルウェイの森も何十回となく読んでいます。だからこそ、映画化されても細かい言い回しだとか、設定だとかが気になって仕方ありませんでした。原作との違いを追っていくだけでもなかなか楽しめるのですが、長いストーリーを2時間程度に押し込めるのですから、やはり描き切れないエピソードが目立ちます。原作を読んでいない方は、ちゃんと話の流れを理解できているのかな?
個人的には、突撃隊やハツミさん、ミドリのお父さんのくだりなど、全て不要だと思いますし、永沢さんや礼子さん(特に東京のシーン)ももっと整理すべきでしょう。極端な話をすれば、登場人物はワタナベと直子とミドリ(とキズキ)だけでいい。話をシンプルにして、原作独特の静かな孤独と焦燥感を描いて欲しかったと思います。ワタナベ君と女性が会っているシーンが多くて、リア充に見えますからね。寮で来るあてのない電話を待ったり、キャンパスで独りポツリと読書をしたり、長い長い手紙を書いたり、そんな時間が描ききれていないのが残念でした。
しかし、良い点もたくさんありました。
●主役3人のキャストは、最初は違和感がありますが、最後はピタリとはまります。菊地凛子さんの直子は、存在感がありすぎな印象もありますがさすがですね。松山ケンイチさんもいい俳優さんだと再認識しました。
●その当時のファッションや風俗が、ちゃんと表現されていて、今まで頭の中でモノクロだった世界に色が入ったような感じ。原作ファンの方には批判したい部分もあるかもしれませんが、私は好きですね。特に礼子さんがギターを弾くシーンと、バイト先のレコード店が素敵です。
●療養所近くの自然の風景もいいですね。イメージしていたよりもずっと雄大で、それでいて病的で、ピタリとはまっています。
とても100%満足とは言わないですし、突っ込みたいところもいくつもありましたが、決して悪い映画ではありません。もうレンタルも始まっていますので、興味がある方はぜひどうぞ!見終わった後に「やれやれ」って言いたくなりますよ(笑)