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室生寺「金堂特別拝観」国宝・釈迦如来立像など撮影可能です!(2024/5/6まで)

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宇陀市の古刹、女人高野『室生寺(むろうじ)』で、2024年の春「金堂特別拝観」が開催中です(~5/6)。御本尊の国宝「釈迦如来立像」がおわす金堂内が、スマートフォン限定で撮影可能になるという、仏像好きにはありがたい企画です!建築物なども含めてすべてが “絵になる=映える” お寺さんですので、この機会にぜひ!

役行者が創建。「女人高野」室生寺

天武天皇の勅願により、修験道の祖・役行者が創建したと伝わる古刹『室生寺(むろうじ)』InstagramTwitterFacebook)。かつて女人禁制とされた高野山に対して、室生寺は女性の参詣が許されていたことから「女人高野」と呼ばれてきました。

真言宗室生寺派の大本山で、晩春の石楠花(シャクナゲ)など四季折々の花々が咲き、美しい仏像と仏教建築の宝庫としても知られています。

ウチの奥さんの家系が室生の里の出ということもありますし、個人的にも室生寺の仏さまや優しくも凛々しい建築物が大好きなので、これまでも数え切れないほどお参りしてきました。

五重塔の初層開扉と五智如来像『室生寺』@宇陀市(2010-09-12)久しぶりに、宇陀市の『室生寺』へ行ってきました。平城遷都1300年祭「祈りの回廊」の一環として「五重塔の初層開扉」と同時に、五重塔に祀られている五智如来像にもお会いしてきました。

▲Twitterの「 #butsuzoタグ 」のみんなとお参りしたり(みんなで奥院までのぼりました)。

清楚な「シャクナゲ」が満開の『室生寺』@宇陀市(2011-05-09)「石楠花(しゃくなげ)」のお寺として有名な、宇陀市の『室生寺』。これまでも何度もお詣りしてきましたが、シャクナゲがほぼピークのタイミングで拝見できました。女人高野に相応しい清楚な花で、雰囲気がありますね。

▲シャクナゲの開花のピークに参拝したり。GWごろは空気がより清々しくてお勧めです!

美仏の宝庫!室生寺・金堂が撮影可能!

そんな室生寺で、2024年の春「金堂特別拝観」が開催されています(3/30~5/6)。

通常は入れない金堂内部(外陣)から拝観できるだけではなく、スマートフォン限定で堂内の撮影可能!さらに特別懐中守りが授与されます(※特別拝観料 500円 が必要です)。

室生寺の金堂には、御本尊の「釈迦如来立像」(国宝)を中心に、薬師如来立像と文殊菩薩立像、6躯の十二神将立像(すべて重文)が祀られており、まさに “美仏の宝庫” です詳しくはこちら)。そんな堂内が撮影可能となるなんて、ちょっと信じられないくらいの出来事です!

▲俗世から聖なる御寺への境界となる「太鼓橋」。ここを渡ると古刹・室生寺です。橋の周囲には桜が植わっていますが、この日(4/1)はまだ開花前でした。
▲軒の反りが美しい「仁王門」をくぐって境内へ。
▲すぐに「鎧坂(よろいざか)」が現れます。両脇には石楠花(しゃくなげ)が植えられており、晩春にはより美しく彩られます。この石段をのぼった先にあるのが、
室生寺の「金堂」(国宝)です。柿葺(こけらぶき)で寄棟造り。正面側のちょっと舞台のようになっている部分は江戸時代に建て増した「礼堂(らいどう)」です。この部分が無かった頃の姿を想像してみると面白いですね。
▲この室生寺・金堂の内部はこの通り(詳しくはこちら)。御本尊の「釈迦如来立像」(国宝)、その脇に薬師如来立像・文殊菩薩立像、6躯の十二神将立像が祀られています。

2020年3月に「寶物殿」(詳しくはこちら)が完成する以前は、この空間にさらに、上品なお姿で人気の十一面観音菩薩立像(国宝)、地蔵菩薩立像(重文)、他の十二神将立像たちもいらっしゃって、まさにオールスターが勢揃いといった雰囲気でした。

その当時はやや狭さと暗さが気になったものですが、よりすっきりとしてじっくりと仏さまと向かい合うことができます。

▲御本尊の釈迦如来立像は、平安前期の作。堂々とした一木造りのお像で、本来は薬師如来として造像されたとか。衣のドレープ(衣紋 えもん)は細かく連続する漣波式(れんぱしき)と呼ばれ、この様式を室生寺様とも称されるとか。

この3躯は当初より三尊像として造られたものではありませんので、背の高さなどは不揃いですが、そのアンバランスさもいい味ですね。いずれも光背の文様まで美しく残っていますので、この機会にぜひじっくりと観察してください!
▲角度を変えて。お堂の内部の雰囲気がまた素晴らしいんです。山深い密教系寺院らしい強さもありながら、仏さまのお姿からは多くの女人の参詣者を受け入れてきた優しさも感じられます。
愛嬌のある「十二神将立像」(重文)たち。いずれも頭上に十二支の動物が付いています。ユニークでダイナミックなポーズを決めているのは、鎌倉時代の仏像らしいところです。
▲十二神将立像は、金堂には「子神・丑神・午神・申神・戌神・亥神」の6躯が安置されており、他の「寅神、卯神、辰神、巳神、未神、酉神」は寶物殿にいらっしゃます。
▲堂内の法具もとても美しいです。毎日ここで祈りが捧げられているんですね。
▲他の参拝客の方々も、スマートフォンで撮影なさっていました。いい記念になりましたね。
▲金堂のピンと凛々しい軒先。軒下の組物などもすべて端正です!

潅頂堂も五重塔も見どころたっぷり

▲金堂の先に建つ「潅頂堂」詳しくはこちら)。こちらが室生寺の本堂に当たります。御本尊の「如意輪観音菩薩」(重文)は、平安時代の作。穏やかな風情ながらどこかエキゾチックで、観心寺・神咒寺のお像とともに日本三如意輪の一つに数えられているとか。ぜひ忘れずお参りしてください。
▲その西側、石段の上部に優美な「五重塔」(国宝)が立っています。
▲奈良時代後期に建てられたもので、法隆寺の塔に次ぐ古さを誇り、屋外の塔としては国内最小(16.22m)です。山間の風景に溶け込んだ、まさに室生寺のシンボルですね。
▲下から見上げたところ。1998年9月の台風による倒木により破損したこともありましたが、美しく蘇っています。

この日はお参りしませんでしたが、塔からさらに奥への石段をのぼると「奥之院」があります。それなりにハードな道中になりますので、覚悟を決めてご参拝ください!
▲こちらは「寶物殿」詳しくはこちら)のご案内。愛らしい十一面観音菩薩立像とともに、かつては弥勒堂の客仏として安置されていた「釈迦如来坐像」(国宝)もいらっしゃいます。こちらは涼しい表情の “凛々しい美男子” という風情の仏さまで、私は大好きな方です。ぜひ寶物殿で静かにご対面してみてください。

室生寺 金堂特別拝観

期間2024年3月30日(土)~5月6日(月)
時間9:00~15:30(※受付は 15:00 まで)
特別拝観料500円(※入山料は別途必要)
※特別懐中守りが授与されます。
※スマートフォン限定で堂内撮影可能です(特別拝観者のみ)

「奈良大和巡礼スタンプラリー」なども開催中

なお、室生寺では「奈良大和 四寺巡礼」、さらに「奈良大和巡礼スタンプラリー」(2026/3/1まで)などにも参加されています。

素敵なお寺や施設ぞろいですので、ぜひあわせて巡ってみてください!

室生寺

HP【公式】女人高野 室生寺
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住所奈良県宇陀市室生78
電話0745-93-2003
拝観時間8:30~17:00
※12~3月は 9:00~16:00
入山料大人 600円、子供 400円
駐車場あり(有料)
アクセス近鉄「室生口大野駅」より「室生寺前」行きバスへ乗車。終点を下車、徒歩約5分
※実際にお参りしたのは「2024年4月1日」でした。

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