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江戸時代にタイムリープ!かつての旅籠建築『八木札の辻交流館』@橿原市

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古代からの幹線道路(横大路×下ツ道)が交わる辻に建つ、かつて旅籠(≒旅館)だった建物を改修した施設『八木札の辻交流館』。歴史や文化を感じられるのはもちろん、2階のお座敷に座っているといい風が吹き抜けて気持ちいいんです!旅人が行き交ったかつての姿を想像しながら、贅沢な時間を過ごしてきました。

2つの街道が交わる交通の要衝でした

橿原市北八木町の『八木札の辻交流館』は、かつて旅籠として使用されていた建物を改修した施設です。

幹線道路「横大路(伊勢街道)」と「下ツ道(中街道)」が交わる位置に建ち、かつては伊勢参りや大峰山参詣の旅人たちで大いに賑わったそうです。

街道沿いの旅籠を公開した『八木札の辻交流館』@橿原市(2015-01-13)横大路(伊勢街道)と下ツ道(中街道)が交わり、伊勢参りや大峰山参詣で賑わった橿原市八木町の「八木札の辻」。その角に建つ市指定文化財「東の平田家(旧旅籠)」は、『八木札の辻交流館』として無料公開されています。おかげ参りが華やかだったころの面影を残す、雰囲気のある建物でした!

内部は見学は無料です。この日は平日の午後にふらっと立ち寄ってみたのですが、2階のお座敷は広々として本当に気持ち良かった!かつての賑わいが蘇ってくるかのようで、とても贅沢な時間が過ごせました。

▲この交差点「八木札の辻」は、奈良盆地を南北に走る「中街道(下ツ道)」と、東西に走る「伊勢街道(横大路)」が交わる交通の要衝に位置します。赤い郵便ポストが絵になりますね。
その角に建つ「東の平田家(旧旅籠)」。真向かいの「西の平田家」とともに、旅籠として使用されていました。建築の年代としては18世紀後半~19世紀前半ごろのようですが、きれいに修復されて現在は交流館として開放されています。
▲1階の入り口部分などには丁寧な案内があります。お時間がある時にはスタッフさんの解説を聞かせていただくとわかりやすいのでお勧めです。

江戸時代ごろの繁栄ぶりが伝わってきます

1階の広間から中庭をみたところ。建物が渋くてかっこいいのはもちろん、建具のデザインやお庭の灯籠、置いてある歴史的な家具など、細部を観察すればするほど面白いです。
▲こちらは下ツ道に面した格子の窓。風情がありますね。
歴史的な建物が立ち並び、重要伝統的建造物群保存地区に指定されている「今井町」までここから徒歩20分ほどです。江戸時代ごろの賑わいぶりが想像できます。

2階広間は広々。贅沢な時間が過ごせます

▲2階へ上がったところ。ふすまと欄間で仕切られた各部屋は、それぞれ客室として使用されていました。お隣さんとはふすま一枚の距離ですから、今の感覚だと近すぎますよね 笑
▲お邪魔したこの日は、GW明けの平日の午後。お天気も良くていい風が吹き抜けて、本当に気持ち良かったです。道後温泉「神の湯」2階の大広間を思い出すようなゆったり感でした。
▲広間の端から。どーんと抜けています。
▲窓から2つの街道が交わる辻を見下ろしたり。左端に「西国札所図会」にも描かれた六角形の井戸(が半分に削られたもの)が見えます。
▲お向かいの「西の平田家」を眺めたり、
▲また、年季の入った昭和的な床屋さんのサインポール(くるくる回るあれ)が見えたり。
▲手入れの行き届いた中庭を見下ろせたり。本当に気持ちいいんですよ!
▲なお、2階客室の欄間はそれぞれデザインが変えてありますが、すべて元ネタが存在します。例えばこれは葛飾北斎「淀川 雪月花」にも描かれた有名な水車などが描かれているとか。宿泊客の旅気分を損ねないためにも細部までしっかり考えられています。
館内閲覧用のガイドブックがいい出来で、歴史から見どころまで網羅してくれています。単なる「古くていい建物だな」以上の面白さが見つかりますのでぜひご覧ください。

周辺エリアもぜひご散策ください

▲余談になりますが、『八木札の辻交流館』の周辺からJR畝傍駅あたりには、いろんな渋い建物や道筋が残っています(写真はかつて小鳥を販売していた橿原小鳥園さん)。ぜひお散歩してみてください!

八木札の辻交流館

HP【公式】八木札の辻交流館
住所奈良県橿原市北八木町2-1-1
電話0744-26-2684
休館日月曜(祝日の場合は翌日休)、年末年始
開館時間9:00~17:00
入館料無料
駐車場なし ※近隣の有料Pを利用
アクセス・近鉄「大和八木駅」から徒歩約7分
・JR「畝傍駅」から徒歩約5分
※実際にお邪魔したのは「2024年5月10日」でした。

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