2010-09-12

五重塔の初層開扉と五智如来像『室生寺』@宇陀市

五重塔の初層開扉と五智如来像『室生寺』@宇陀市

久しぶりに、宇陀市の『室生寺』へ行ってきました。平城遷都1300年祭「祈りの回廊」の一環として「五重塔の初層開扉」と同時に、五重塔に祀られている五智如来像にもお会いしてきました。


Twitter「#butsuzoタグ」のオフ会です

宇陀市にある女人高野『室生寺』。私も大好きなお寺さんですし、これまでにも何度かお参りしてきました。

仏像も見事!桜が美しい女人高野『室生寺』@宇陀市
紅葉で大混雑の『室生寺』に行きました


この日は、いつものように夫婦二人ではなく、Twitterの「#butsuzoタグ」の皆さんと待ち合わせして、みんなでワイワイと回ってきました。人数が増えても、基本的にやることは変わらないのですが、ちょっと新鮮で楽しかったです!

Twitter仏像タグ - #butsuzo - 総合案内
Togetter - 「【#butsuzo発 室生寺オフ会】」


この日の室生寺は、平城遷都1300年祭「祈りの回廊」の一環として「五重塔(国宝)の初層開扉」が行われていました(2010年9月26日まで)。五重塔に祀られている五智如来像にもお会い出来ました!


室生寺オフ@宇陀市-01

宇陀市にある「女人高野」こと『室生寺』。週末でしたが、紅葉シーズンにはまだ早いため、それほどの混雑度ではありませんでした。この日は、平城遷都1300年祭の一環として「五重塔(国宝)の初層開扉」が行われており、五重塔に祀られている五智如来像を特別拝観させていただきました

室生寺オフ@宇陀市-02
室生寺の「仁王門」。近年に再建されたものなので、まだ真新しい印象です。仁王像の赤と青も鮮やかです

室生寺オフ@宇陀市-03
仁王門をくぐると、左手に「ばん字池」が。梵字の形を模しています

室生寺オフ@宇陀市-04
室生寺の金堂へと続く「鎧坂(よろいざか)」。春には両脇に石楠花(しゃくなげ)が咲き乱れる美しい石段ですが、手すりを設置する工事中でした。ちょっと残念ですね


美仏が立ち並ぶ「金堂」は圧巻です!

室生寺「金堂(国宝)」は、やはりいつ行っても素晴らしいですね。この日は週末ということもあって、それほどのんびりと見ていることも出来ませんでしたが、雰囲気は十分に味わえました。

釈迦如来像(国宝)を中心として、5体の仏さまが立ち並び、その全ての方が板光背を背にしていらっしゃるというのは、他ではなかなか見られない光景でしょう。また彩色も美しく残されていて、本当に見事なものです。特に、幼い表情で有名な、向かって左はじにいらっしゃる「十一面観音像(国宝)」は、まさに癒しの仏さまだと思います。また、その手前に並んでいる「十二神将像(重文)」の、どこかコミカルな動きと表情もいいんですよね。

2010年12月4日~26日までの期間には、「金堂外陣から拝観と十二神将里帰り特別拝観」が行われ、より間近でお会いできるチャンスですので、ぜひ行ってみてください。


室生寺オフ@宇陀市-05

室生寺「金堂(国宝)」。平安時代前期の建物で、優雅な印象の柿葺(こけらぶき)になっています。5体の一木造彩色像が並び、その全てが板光背を背負っているのも特徴的。その前には、やや小さめの十二神将像が立ち並び、素晴らしい仏像の宝庫です!

室生寺オフ@宇陀市-06
室生寺・金堂内の様子を写したポスター。中尊は、漣波式というドレープが美しい釈迦如来像(国宝)。その向かって左手に文殊菩薩(重文)と十一面観音像(国宝)が並び、右手には薬師如来と地蔵菩薩像(ともに重文)がいらっしゃいます。十二神将像(重文)の愛らしさは、ぜひ直接ご覧ください!

室生寺オフ@宇陀市-07
金堂から見た「弥勒堂(重文)」。鎌倉時代のもので、ご本尊は「弥勒菩薩立像(重文)」です。その脇にいらっしゃる「釈迦如来坐像(国宝)」は、一木造の堂々とした仏さまで、貫禄十分。涼やかな表情が印象的なお方です

室生寺オフ@宇陀市-08
金堂脇にいらっしゃる石仏「軍荼利明王(ぐんだりみょうおう)」像。このような石仏は色んなお寺にいらっしゃいますが、この方の表情は素晴らしいですね

室生寺オフ@宇陀市-09
室生寺の境内には、伝「北畠親房之墓」もあります。歴史好きな方はぜひお参りしてみてください


灌頂堂にて五智如来像が特別公開

金堂から少し上がった場所にある、室生寺の本堂にあたる「灌頂堂(国宝)」では、普段は五重塔の中にいらっしゃる「五智如来像」が特別公開されていました(特別拝観料400円)。五智如来とは、密教の5つの知恵を、大日如来・阿しゅく如来・宝生如来・阿弥陀如来・不空成就如来の5体の如来にあてはめたものだそうです。

室生寺の五智如来像は、江戸時代に作られたもので、まだ金箔もまばゆい美しい像でした。小さめな五重塔に合わせるかのように、像高も数十センチほど。五重塔は800年頃に作られたものだとされていますが、江戸時代にこの五智如来像が祀られるまでは、何があったのか(または何も無かったのか)は不明なのだとか。あの塔の内部が、ひょっとしたら心柱のみで空っぽだったかと思うと、不思議な感じがしますね。


室生寺オフ@宇陀市-10

室生寺の本堂にあたる「灌頂堂(国宝)」。1308年建立で、入母屋造り・檜皮葺きの美しい建物です。中央には如意輪観音坐像(重文)が、左右の壁には中央に向いて両界曼荼羅(金剛界、胎蔵界)がかかっています。普段は五重塔にいらっしゃる五智如来像も、こちらで公開されていました

室生寺オフ@宇陀市-11
室生寺「灌頂堂(国宝)」。軒先の反りが美しいですね。周囲の緑と見事に溶けこむような、とても落ち着いたお堂です

室生寺オフ@宇陀市-12
室生寺の灌頂堂と五重塔

室生寺オフ@宇陀市-13
石段と五重塔

室生寺オフ@宇陀市-14
室生寺・五重塔(国宝)を見上げたところ。800年頃に建たてられたもので、屋外にある木造五重塔では日本で2番目に古い塔です(1番は法隆寺)。1998年の台風で被害を受けて修復されています。高さは16mほどしかなく、小さく愛らしい塔ですね

室生寺オフ@宇陀市-15
この日は、五重塔の初層が開扉されていました。中には太い心柱が見えるだけ。普段はこちらに五智如来像が祀られています

室生寺オフ@宇陀市-16
高い位置から見た室生寺・五重塔。小さな塔のため、少し石段を上るだけで目線の高さになります。山寺らしい雰囲気ですね


奥の院へ石段も楽しく上れました

この日は、オフ会参加者全員で「奥の院」にもお参りしました。9月とはいえ、まだ暑くて大変でしたが、石段は総数390段ほどと、それほどヘビーなものではありません。清水寺風の懸造り「位牌堂」までたどりつくと、ちょっとした達成感がありますので、ぜひ歩きやすい靴でチャレンジしてみてください。


室生寺オフ@宇陀市-17

室生寺の五重塔脇の石段を上がり、奥の院へ向かいます。ゆっくり上っても所要時間15分くらいでしょうか。それなりにヘビーな石段ですが、時間をかければどなたでも登頂可能でしょう

室生寺オフ@宇陀市-18
室生寺の奥の院へ向かう石段脇には「天然記念物室生山暖地性羊歯群落」の石碑が立っています。この一帯は、様々な種類のシダ類が大群落を作っており、暖地性シダの北限地域となっています。シダたちを眺めながら、のんびりと石段を上がってください

室生寺オフ@宇陀市-19
石段をしばらく上ると、その先に懸造りの奥の院が見えてきます。石段はきれいに整備されているので、比較的上りやすいでしょう

室生寺オフ@宇陀市-20
奥の院「位牌堂」を下から見上げたところ。これだけ険しい場所に、これだけの建物を作るのは大変だったことでしょう

室生寺オフ@宇陀市-21
室生寺・奥の院「位牌堂」。私は、お堂が開いているところは初めて見ましたが、堂内には仏さまは祀られていないようでした。周囲は回廊になっていますし、ベンチも置いてありますので、木々の間から見える景色を眺めながら休憩できます

室生寺オフ@宇陀市-22
奥の院に奉納されていた額。地獄絵図のように見えますが、弘法大師さんとどんな関係があるのでしょうか?

室生寺オフ@宇陀市-23
奥の院の「御影堂(大師堂)」。各地にある大師堂の中でも、最古級のお堂になるそうです。毎月21日の弘法大師さまの月命日に公開されているのだとか。一度お参りしてみたいですね

室生寺オフ@宇陀市-24
御影堂の脇にある石塔と石灯籠。灯籠の上にはたくさんの小石が置かれていました

室生寺-御朱印2
室生寺の奥の院でいただいたご朱印です。味のある字ですね。これを書いてくださったお寺さんは、険しい奥の院への道を50年間上り続けているそうです!気が遠くなりそうですね!

室生寺-御朱印1
室生寺でいただいたご朱印。「如意宝珠」と書いてあります。空海が持ち帰ったとされる如意宝珠を山内に埋めたという言い伝えもあるそうです



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■室生寺

HP: http://www.murouji.or.jp/
住所: 奈良県宇陀市室生区室生78
電話: 0745-93-2003
宗派: 真言宗室生寺派大本山
本尊: 釈迦如来(国宝)
創建: 宝亀年間(770年-780年)
開基: 役小角、または賢璟
拝観料: 600円
拝観時間: 8:00 - 17:00(入山は16:30まで)
駐車場: 有料駐車場(民間)
アクセス: 近鉄大阪線「室生口大野」より、奈良交通バス「室生寺」下車

※「女人高野」の別称でも有名です
※「西国薬師四十九霊場」の第八番霊場






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