日本最大の円墳「富雄丸山古墳」から出土した、巨大な蛇行剣(だこうけん)の初公開となった「特別公開 富雄丸山古墳の蛇行剣」を拝見してきました。把と鞘を含めて285cmという長さ、刀の部分が6回も曲がっているという特殊な姿を間近で拝見できました。頑張って2時間待ち(!)の行列を並んだ甲斐がありました!
クリーニング作業が終わって初の一般公開
4世紀後半(古墳時代前期後半)に築造された『富雄丸山(とみおまるやま)古墳』は、直径109mの日本最大の円墳です。
2022年10月、墳丘の北東側にある「造出し」から粘土槨の埋葬施設が見つかり、過去最大の蛇行剣、例を見ない盾形銅鏡(鼉⿓⽂(だりゅうもん)盾形銅鏡)が出土し、大きな話題となりました。
さらにその後、粘土槨に覆われた木棺の中から、3枚の銅鏡、9点の竪櫛、真っ赤な水銀朱などが見つかり、2024年3月の現地公開でその様子を間近に拝見してきました。

大発見が続く『富雄丸山古墳』(奈良市)第七次調査の現地公開へ行ってきました(2024-03-28)日本最大の円墳「富雄丸山古墳」の粘土槨に覆われた木棺の中から、銅鏡や竪櫛、水銀朱などが見つかっています。2024年3月に行われた現地公開を拝見してきました。大発見の現場を生で観られて感動しました!
そして同じく2024年3月末、富雄丸山古墳の巨大な蛇行剣のクリーニング作業が終わり、初の一般公開が「奈良県立橿原考古学研究所(橿考研)」(Facebook・YouTube)の付属博物館で開催されました(3/30~4/7)。
実物を観て驚きが倍増!不思議な蛇行剣の姿



刀の部分が6回も曲がって蛇行している特殊な剣であり、その全長は237cm。世界的に見ても最大級です。また、把(つか)と鞘(さや)を装着した場合の長さは285cmにも達するそうです。



こうした大きな楔形把頭は、4世紀以降、剣ではなく刀に特有の形態として採用されていくのだとか。この蛇行剣が楔形把頭の最古の事例になるそうです。

ゆうに2mを超える長さの、しかも曲がった大剣ですから、普通に考えれば実戦向きではなく祭祀用なのでしょう。でもこの剣を手に戦場に立っていた人物がいたのかもと想像すると、それはそれでちょっと楽しいですね!


先端の尖った部分は、立てて置いたときに直接地面に触れないようにするための「石突(いしづき)」と考えられるそうで、古代日本の剣でこれが確認できたのも初だとか。それと繋がっている鞘尻は、先端が広がった長さ18.5cmの細長い突起です。


本物の迫力を目の当たりにして、興奮しました!
「空白の4世紀」と呼ばれるこの時代の謎を解明してくれる鍵となるかもしれません。今後の調査にも注目したいですね。
常設展示も見どころいっぱいです!


特別公開 富雄丸山古墳の蛇行剣 -クリーニング作業が明らかにした巨大鉄剣のすがた-
会期 | 2024年3月30日(土)~4月7日(日) |
会場 | 奈良県立橿原考古学研究所附属博物館 特別展示室 |
奈良県立橿原考古学研究所付属博物館
HP | 【公式】奈良県立橿原考古学研究所付属博物館 |
SNS | Facebook YouTube |
住所 | 奈良県橿原市畝傍町50-2 |
電話 | 0744-24-1185 |
観覧料 | 大人400円、大・高校生300円、中・小学生200円 など ※特別展開催期間中は、常設展の観覧にも特別展入館料が必要 |
休館日 | 毎週月曜日(※月曜が休日の場合は開館、その翌日休館) 年末・年始(12月28日~1月4日) |
開館時間 | 9:00~17:00 |
駐車場 | あり(無料) |
アクセス | 近鉄「橿原神宮前駅」から徒歩約15分 |