奈良を愉しむ

東大寺二月堂「お水取り」生中継を吉野川で観てみました

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天平勝宝4年(752)以来、途絶えることなく続く東大寺二月堂の「修二会」(お水取り)。その外観の様子がニコニコ動画で生中継されていて、どこでも拝見できるようになっています。そこで、遠く離れた吉野川のほとりで、焚き火をしながら本行最終日の生中継を観てみたところ、どこにいるのかわからなくなるような不思議な感覚になりました。

天平勝宝4年から途絶えず続く「お水取り」

歴史ある奈良の地では、年内を通じて様々な宗教的イベントが開催されています。もっとも有名な法要といえるのが、東大寺二月堂の修二会(お水取り)でしょう(本行は毎年3月1日~14日)。

天平勝宝4年(752)実忠和尚によって始められて以来、大仏殿が焼け落ちた年も、太平洋戦争の最中にも、途絶えることなく続けられており、2023年には1272回を数えます(詳しくはこちら → 「修二会 – 東大寺」)

正式名称は「十一面悔過(けか)法要」。練行衆と呼ばれる11名の僧侶が、私たちが日常に犯しているさまざまな過ちを、二月堂のご本尊である十一面観世音菩薩へ懺悔してくださっています。

しかし、新型コロナウイルスのため現地での拝観は制限され、2023年も「お松明拝観はなるべくお控えください」との案内があったり、堂内や局での聴聞はできないなど、まだ通常の状態には戻っていません。残念ではありますが、また来年を楽しみにしたいと思います。

本行中の東大寺二月堂から外観を生中継

その代わり……と言っていいのかわかりませんが、今年もまた、ニコニコ生放送で修二会(お水取り)が行われている東大寺二月堂の外観が生中継されています。

●視聴はこちらから → 「修二会(お水取り)本行中の東大寺二月堂の外観」

現地へ足を運ぶことなく、遠く離れた場所からでもその雰囲気を味わえるため、大変な好評を博しているようです。私たちもよく自宅から中継を拝見していますが、本当にありがたいですね。

昨年(2022年)になりますが、修二会の本行の最終日となる3月14日に、「吉野川のほとりで焚き火をしながらお水取りの中継を見る」というのを試してみました。これがとても不思議な感覚で、面白い体験でしたのでご紹介します。

環境を変えて生中継を観ると脳がバグる!?

私たちは普段からよく吉野川(吉野町)の「リバーフィールドよしの」(※夏季は有料)で焚き火をしています。

【奈良的生活】第3回「吉野川で焚き火をしよう!」(2017-10-02)吉野川(@吉野町)の河川敷での「焚き火」。火が燃えているだけなのに、不思議なくらい落ち着いた気分になります。「ゴミは持ち帰る」などマナー遵守で楽しみましょう!

※吉野町では「バーベキュー等許可指定区域」が指定されていますので、必ずこれに従ってください。

▲吉野町「リバーフィールドよしの」では、吉野川のほとりで焚き火を楽しめます。空も広々としていて、開放された気分になります。
▲そして3月14日。iPadを持ち出して、東大寺二月堂からの生中継を吉野川で見るというのを試してみました。焚き火で食べ物を調理したりしながら、ぼんやりと中継を眺めます。
▲暗いのでこの画像では乱れていますが、通信状態もまったく問題ありませんでした。
▲いつものように、焚き火で調理などを行いながらその時を待ちます。こちらは鉄スキレットで冷凍枝豆を焼いているところ。解凍するだけで食べられますが、炙ることで香ばしくなりますよ!
東大寺二月堂でお松明が上がりました。通常は19時からですが、14日は18時半からです。

やや大げさな言い方になりますが、お水取りの期間中はどこにいても「今、お水取りの本行が行われているんだ」と感じながら過ごします。自宅で夜テレビを観ながらでもふっと思い出すことも多く、日常とは違うちょっと不思議で特別な感覚があるんですね。

その様子をネット中継で観るというだけでも不思議なのに、こんなアウトドアとなるとますます現実味がなくなって、不思議さは倍増します。
▲空にはきれいなお月様が。
「この月は二月堂も照らしているんだ」などと感慨にふけったり。
▲そんなことを思いながら、お肉を焼いたり、焼き枝豆を追加したり。ちょっと不思議な感覚を味わえますので、皆さんもぜひ!

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