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當麻寺『聖衆来迎練供養会式』(葛城市)現地で拝見すると迫力がすごい!

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當麻寺(葛城市)で、中将姫のご命日である4月14日に毎年営まれている『聖衆来迎練供養会式』(通称:練供養、お練り)。今年も間近から拝見することができました。1005年から千年以上も続けられてきた荘厳な宗教儀式を動画をまじえてご紹介します!

千年以上続く當麻寺『聖衆来迎練供養会式』

「中将姫(ちゅうじょうひめ)」Wikipedia)が一夜にして織り上げたと伝わる「當麻曼荼羅」を御本尊とする、奈良県葛城市の古刹・當麻寺(たいまでら)。

毎年4月14日の中将姫の御命日には、二十五菩薩さまたちがお迎えにあがり、中将姫が極楽往生を遂げるシーンを再現した宗教儀式『聖衆来迎練供養会式(しょうじゅらいごう ねりくようえしき)』(通称:練供養会式、お練り)が行われます。

こうした「練供養」の法要は、『往生要集』を著した天台僧・恵心僧都源信(えしんそうず げんしん)が、比叡山で始めたとか。源信の生まれ故郷である當麻の地でも、1005年から千年以上もずっと続けられています。

千年続く『聖衆来迎練供養会式』2017年@當麻寺(葛城市)(2017-05-14)2017年は日曜日にあたったため、たくさんの参拝客で賑わいました。西方浄土から菩薩さまたちが中将姫をお迎えにくる様子を表現した宗教儀式で、荘厳であり和やかです。快晴にも恵まれ、素晴らしい体験になりました!

▲2017年の様子。詳しくはこちらをご覧ください。以前は毎年5月14日の開催でしたが、2019年から「4月14日」へと変更されています。

當麻寺『聖衆来迎練供養会式』(葛城市)2023年は金堂前から拝見しました(2023-04-24)コロナ禍での一般参拝の中止、規模の縮小を経て、2023年は通常どおりの形に戻って開催されました。ご縁をいただいて初めて金堂前の素晴らしい席から拝見できて、復元新調された美しい衣装もじっくり見られました!

▲昨年、2023年の模様。金堂前からほぼ目線の高さで拝見させていただけました。

練供養会式の前に『二十五菩薩御面拝観』@當麻寺護念院(2013-05-14)練供養会式で使用される菩薩面・装束を管理している塔頭寺院「護念院」では、法話を伺ったり、二十五菩薩の御面を間近に拝見できたり、被らせていただいたりできます。

▲法要の前には御面を間近に拝見できたりします。

来迎橋の真下は大迫力!圧倒的なライブ感

當麻寺の練供養会式は、私たちにとって “ほぼ地元開催の行事” という認識ですので、ほぼ毎年参拝させていただいています。今年(2024年)は簡単にその様子だけご紹介しておきます。

▲練供養会式の際には、本堂・曼荼羅堂(この日は「極楽堂」)から、境内の東端の「娑婆堂」まで、約120mの来迎橋がかかります。2024年は日曜日と重なったため、たくさんの人で賑わいました。
▲お稚児さん、雅楽隊などに続いて、二十五菩薩たちが現世(娑婆堂)におわす中将姫をお迎えにあがります。
▲続いて、蓮台のみを手にした観音菩薩(すくい仏)が登場。上下動しながらの激しくも優雅なムーブです。
▲なお、この日の私たちは来迎橋の北側から拝見しましたが、こちら側からだと前半が逆光になります。それはそれで神々しくてこんなシーンが観られたりします。とはいえ、初めての方は南側からのほうが見やすいでしょう(その分だけいくらか混雑しますが)。
▲目の前を通るすくい仏。この距離ですから、脚を踏み鳴らす音がリアルに響き、臨場感がすごいんです!
両手を合掌し、上下動しながら進む勢至菩薩(おがみ仏)が続きます。仮面を被って視野が狭い状態で、先を進むすくい仏の動きに合わせて動くため、こちらもかなり難しい役割です。

西方浄土へ向かう姿の神々しさ!

▲練供養会式の後半。娑婆堂の中将姫像を蓮台にのせたすくい仏が先導する形で、西方浄土である極楽堂へと戻っていきます。西日を受けて神々しい!
▲この姿を見ると、西方浄土やそこに召された中将姫さまの存在が、よりリアルに連想できます。拝見するたびに感動します!
▲すくい仏、おがみ仏に続いて、きらびやかなお召し物の普賢菩薩や二十五菩薩が。
▲来迎橋は地面から1~2mほどの高さがあります。面をつけて皆さん視界が狭くなっているため、お付きの方とゆっくり歩みます。
▲続いて雅楽隊とお稚児さんの行列があり、
▲僧侶の方たちが続きます。2024年もお天気に恵まれて素晴らしかったです!まだ未体験の方も、来年はぜひ!
▲なお、當麻寺「練供養会式」の当日は、境内北側のグラウンド「當麻健民運動場」が臨時駐車場として開放されます(無料)。台数に限りがあるのでお車の方はお早めに。

▲短めの動画も公開しています。ぜひご覧ください。

當麻寺

HP中之坊 奥院 西南院 護念院
住所奈良県葛城市當麻1263
宗派高野山真言宗・浄土宗
拝観料境内は無料
(伽藍:500円、中之坊:500円、奥院:500円、西南院:300円、護念院:300円)
拝観時間9:00~17:00
アクセス近鉄南大阪線「当麻寺駅」から徒歩約20分
※當麻寺『聖衆来迎練供養会式』は、毎年4月14日に開催されます。

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