
秋の飛鳥の灯りイベント『飛鳥光の回廊2013』@明日香村
秋の飛鳥をほのかに彩る、美しい灯りのイベント『飛鳥光の回廊 2013』へ行ってきました。次第に規模も大きくなり、すっかり定着してきましたね。今年は不思議な巨石「酒船石」に3Dプロジェクションマッピングが投影されるなどの趣向もあり、とても楽しかったです!
2005年から続く、秋の夜の素敵なイベントです
2005年から開催されている、秋の飛鳥にやわらかな灯りが広がるイベント『飛鳥光の回廊 2013』。年々規模を拡大し、秋のイベントとしてすっかり定着しました。
ライトアップが行われるのは、明日香村内の、高松塚地区・川原寺周辺地区・石舞台地区・岡地区・伝飛鳥板葺宮跡・亀形石造物周辺・飛鳥寺の各エリア。2013年はこのルートを結ぶ無料循環バスも運行し、各会場を行き来しやすくするなど、少しずつ進化しています。
ちなみに、2013年は「9月14日・15日」の土日に開催予定でしたが(18:00~21:00)、2日目の15日には大型の台風がやって来たため中止となってしまいました。私たちは初日に数箇所まわってきましたので、その模様をお知らせします。
『飛鳥光の回廊2013』は18時スタート。万葉文化館の近くでは、地元の人気の飲食店が出店する「光のマルシェ」が行われていましたので、ここで飲み食いしておくといいでしょう。かなり盛り上がっていました!
飛鳥の暮れゆく空
夕焼け空と二上山(自前の自転車で回ったので、移動の合間に撮影してます)
夜の美しい仏さまにお会いできる「岡寺」
万葉文化館からスタートして、まずは「岡地区」の中心となる『岡寺』さんへ(この日は拝観料など無料です)。飛鳥の中心部では最も高い岡の上にあるため、上り坂はややしんどいです。また道も細く、ライトを付けた自転車とはいえ夜はちょっと怖いですから、くれぐれもお気をつけて。
しかし、頑張って坂道を登る甲斐はあります!境内に整然と並べられたロウソクの灯りがとても美しく、ご本尊の巨大な塑像「如意輪観音坐像」のお姿も拝見できます。夜のお寺の美しさを存分に味わえますね。
「石舞台地区」は大賑わい!劇団時空の公演も
続いて「石舞台地区」へ。石舞台古墳が美しくライトアップされ、ものすごい人混みでした。また、その周りにロウソクが彼岸花の形に並べられていて、秋の飛鳥らしさを感じました。これはいいアイディアですね。
また、近くの舞台「あすか風舞台」では、劇団時空の公演も行われていましたし、たくさんの屋台も並んでいました。村内の会場を急いで回るのも楽しいものですが、広々とした公園でのんびり過ごすのもいいですね。
石舞台古墳に入場すると(この日は無料です)、タブレットを使用して石舞台古墳が作られた過程などが観られる「石舞台古墳バーチャルガイド」の貸出を行っていました
バーチャルガイドを作動させると、石舞台古墳を築いた人々のCGが流れます。これが楽しいのは、例えば90度横を向けた時でも、そこで作業している人の姿が見えること。遠くから巨石を運んで来る様子が見られたりします。すごいですね!
陶芸家・林真理さんの「陶灯展」がすごい!
移動中に、築150年の古い商家を利用した『飛鳥藍染織館』(紹介記事)の前を通ると、いつもとはまったく違い、ギャラリー専業のような雰囲気になっていました。
ここでは、生駒市出身で、現在は宇陀市に「陶工房 釉」を構える陶芸家・林真理さんの「陶灯展」が開催されており、その美しい灯りに人だかりが出来ていました。私はこの方についてはまったく存じ上げなかったのですが、すぐさま魅了されました。またどこかで拝見したいです!
不思議な巨石「酒船石」に映像が投影されます
今年の飛鳥光の回廊で、私が個人的にもっとも楽しみにしていたのが、不思議な巨石「酒船石」(紹介記事)に、3Dプロジェクションマッピングという方法で映像を投影する企画でした。これが不思議で面白いんです!
酒船石は、もとの利用目的は不明ですが、表面に彫られた溝の部分に水を流したことは間違いないでしょう。頭上に設置された投影機から、ここに水の動きのような映像を投影するのですが、まるで悪夢でも見ているようで、それでいて目が逸らせない、何とも不思議な空間になるのです。最近の技術はすごいですね!
なお、実はこの企画は、伝飛鳥板葺宮跡に展示された巨大な竹のアート「朱雀」と対になっていて、創作アート「未知の光」と名付けられていましたが、残念ながら時間が足りずに片方しか拝見できませんでした。エリアが広いため一日ではとてもすべて回れないことは分かっていたのですが、ちょっと計算ミスでした……。
不思議な形の「酒船石」(Wikipedia)に映像が投影されて、暗闇にこんな感じで浮かび上がります!刻々と姿を変えていくため、思わずじっと見入ってしまいました!
丘のすぐ下にある「亀形石造物」も、夜に観るとますます不思議さを増しますね
一日で全エリアを回るのは難しいかも
今年もすべての会場は回れませんでしたが、今年気づいた点などを加えて、注意点などを再掲しておきます。
●飛鳥光の回廊の期間中は、一部で車での通行が規制されますので、車での移動は避けた方が無難です。駐車場も見つからないことはありませんが、早めに埋まります。
●ライトがついた、夜でも借りられるレンタサイクル業者さんもあるようです。夜道を走るのはやや危険ですが、これが一番効率よく回れると思います。
●明日香村の広いエリアが会場となるため、一日ですべてを周ることは難しいかもしれません。しっかりルートを決めて挑みましょう。
●飛鳥駅を起点として、各会場を結ぶ無料循環バスが運行されましたが、終了間際の混雑する時間帯にはバスに乗れない、乗っても進まないような状況になったとか。
●この時期の明日香村は、彼岸花が咲き始めるころです。早めに到着して彼岸花を見ておくのもいいですね。
●三脚の使用も禁止されていませんので、写真撮影がお好きな方にオススメです
やや涼しくなった秋の夜に行われる、とても気持ちのいいイベントですから、ぜひ来てみてください!オススメです!
■飛鳥光の回廊 2013
HP: http://hikari.asukamura.jp/#id81
Facebook: https://www.facebook.com/asukahikarinokairoupj
開催日: 2013年9月14日(土)・15日(日)18:00~21:00
会場: 明日香村内(高松塚地区、川原寺周辺地区、石舞台地区、岡地区、伝飛鳥板葺宮跡、亀形石造物周辺、飛鳥寺)
主催: 明日香村観光交流活性化事業実行委員会
電話: 0744-54-4577
※実際に拝見したのは「2013年9月14日」でした
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