
幻想的な秋のイベント『飛鳥光の回廊』@明日香村
2009年で5回目を迎える、明日香村のイベント『飛鳥光の回廊』へ行ってきました。「なら燈花会の明日香村版」というもので、まだそれほど有名ではありませんが、なら燈花会とはまた違った魅力がありました。
私たちは、この日はあまり時間が無かったため、ほんの少ししか見られませんでしたが、静かで神秘的な明日香村の雰囲気を満喫することが出来ました!
明日香村全域が灯りに彩られます
この「飛鳥光の回廊」というイベントは、「明日香村観光交流活性化事業実行委員会」の主催で2005年から開催されていて、2009年で5回目を迎えました(開催日は毎年変更になります。2009年は9月19日・20日の二日間でした)。
飛鳥光の回廊の内容は「なら燈花会の明日香村版」と言った方が分かりやすいでしょう。明日香村の村内が約2万本のロウソクや行灯の灯りに包まれて、とても幻想的な姿に照らし出されます。
参加しているのは、「明日香村内(岡大字、飛鳥大字、島庄大字、橘大字、川原大字、国営飛鳥歴史公園高松塚周辺地区及び石舞台地区及び祝戸地区、飛鳥寺、岡寺、橘寺、川原寺、石舞台古墳、亀形石造物、奈良県立万葉文化館、飛鳥資料館、近鉄飛鳥駅前、伝板蓋宮跡、水落遺跡、健康福祉センターたちばな、他」と、明日香村のほぼ全ての施設となり、イベント期間中は駐車場代・入場料・拝観料などが全て無料となるという、気合の入りようです!
特にメイン会場となる「高松塚周辺地区」では、毎年「光の朱雀」「光の白虎」などの地上絵が設置され、2009年は1,520個のロウソクで作られた「四神」が作られたのだそうです(画像はコチラ。新聞社サイトなのでリンク切れになる可能性もあります)。
開催日が2日間のみ、開催時間は「18:00点灯-21:00消灯」と短めながらも、とても一日で全てを周ることが出来ないような規模で、飛鳥の秋の一大イベントとなっています。
夜の「岡寺」は静かで落ち着きます
今回、私たちは出発時間が遅くなってしまったため、とても飛鳥光の回廊の全ての会場を周るような時間はありませんでしたので、手近なところから順番に見て周ることにしました。
実際に行った順番とは前後しますが、『岡寺』さんの様子の見事さに、本当に時間が経つのを忘れてしまうほどでした!
静かな夜の境内に、ほのかなロウソクの灯りが揺れる姿は、とにかく美しいんですよね。私のようなお寺好きな人間にとっては、夜のお寺に拝観できるだけでも嬉しいものですが、真っ暗な夜空に本堂や三重塔がライトアップされて浮かび上がり、普段はなかなか見ることができない夜の仏様の様子もハッキリと見えます。足元にはロウソクの柔らかな灯りが連なり、とても幻想的でした。
なら燈花会とは違い、人混みで騒々しくならないのもいいんですよね。他にもたくさんのお客さんは来ていたのですが、飛鳥光の回廊というイベント期間中とは思えないほど静かです。やはり夜のお寺の雰囲気がそうさせるのかもしれません。
飛鳥光の回廊には、岡寺さんの他にも「飛鳥寺」「橘寺」なども参加されていますので、来年こそはそちらもぜひ周ってみたいと思います!
「飛鳥光の回廊」イベント開催中の『岡寺』さん。期間中の2日間は、境内がほのかなロウソクの灯りに包まれますし、仏様のライトアップも行われます。拝観料も駐車料も無料なのも嬉しいですね!仁王門も見事にライトアップされています
岡寺さんでは、境内に入るとすぐにつづら折の石段がありますが、その両脇にカップに入ったロウソクが並べられています。真っ暗な夜のお寺にロウソクの灯り。とにかく雰囲気がいいんです!
ロウソクを使用したイベントというと、やはり「なら燈花会」を思い浮かべます(会場によっては燈花会のロゴ入りカップを使っているところもありました)。ロウソクの数では圧倒的に劣りますが、岡寺さんでは夜の闇が濃い分だけ、ロウソクの灯りをじっくりと味わうことが出来ます
飛鳥のロゴ入りカップ。かなり凝ったデザインですね。まだ数はそれほど無く、無地のものが多いようでした
ロウソクの灯りと、ライトアップされた岡寺のシンボル「三重塔」。人出もそれほど多くは無く、のんびりと満喫できました
岡の上に立つ「三重塔」は、明日香村のかなり遠い位置からも見えますが、夜にこんな間近で見られる機会はなかなかありません
三重塔から少し低い位置にある「大師堂」。弘法大師さんの像も明るく照らされていて、昼間に拝観するよりも鮮やかに見えました
大師堂前から本堂方面を眺めたところ。ライトアップとロウソクの灯りのバランスがいいですね。本当に美しい眺めでした
本堂の脇に立つ「開山堂」。前面にガラス戸があるため、昼間に来ると中はほとんど見えませんが、この日はガラスも開け放たれていて、阿弥陀三尊像の姿をハッキリと拝むことができました
岡寺「本堂」前。このお堂はなかなか見事な造りですが、この位置からだと、巨大な塑像仏「如意輪観音座像(重文)」の表情と、その両脇の高い位置に、丸窓越しにお不動さんたちがいらっしゃるのが見えます。昼間には決して見られないお姿ですね
本堂の庇部分を見ると、夜のお寺ならではの陰影が。ちなみに、本堂の拝観も無料ですので、内陣まで入って、夜の仏様と静かに対面できます
ご本尊の「如意輪観音座像」の表情が分かる一枚。日本最大の塑像(土でできた像)ですから、遠目に見ても迫力があります
「万葉文化館」も入館料が無料です
この他に、「万葉文化館」にも立ち寄ってきました。
コチラは、近代的な建物と、その前に広がるお庭に置かれたロウソクの灯りの対比が見事です。ロウソクの本数はそれほど多くはないようですが、すぐ近くにある「亀形石造物」にもロウソクが置かれていたようですので、そちらも合わせて周ってみてください。
また万葉文化館は、通常は「観覧料600円、駐車場代金500円」と、ややお高めの施設なんですが、飛鳥光の回廊の期間中は、もちろん共に無料です!このイベントに合わせて入場しておくのもいいかもしれませんね。
飛鳥光の回廊に参加していた「奈良県立万葉文化館」前の様子。建物の灯りとのコントラストが見事でした。すぐ近くにある「亀形石造物」にもロウソクが灯されていました
万葉文化館には広めの庭があるのですが、その両脇にもズラリとロウソクが並べられています。ここもかなり薄暗いので、ロウソクのほのかな灯りの揺らめきまでキレイに見えました
万葉文化館の会場では、色付きのカップも並んでいました。三色をハート型に並べてありましたが、ちょっと形が崩れ気味だったのが残念!
「飛鳥資料館」はもう少し・・・
そして、「飛鳥資料館」にも立ち寄っています。
コチラは、庭に置かれた明日香村の独特の石造物のレプリカが、煌々とライトアップされているのですが、その光が強すぎて肝心のロウソクの灯りがほとんど見えないのが難点ですね・・・。来年はもう少し展示方法を変えた方がいいかもしれません。
しつこいようですが、飛鳥資料館も無料開放されていましたので、それを目当てに来てみるのもいいでしょう。
飛鳥光の回廊の「飛鳥資料館」会場。中央に立つのは、古代の噴水だったとされる「須弥山石」のレプリカです。ライトをあててもらうと須弥山石は浮かび上がりますが、周りに並べられたロウソクの灯りは見えなくなるし・・・と、ちょっと消化不良気味ですね
警備の方がライトを落としてくださったところ、こんな光景になりました。中央に主役の須弥山石が薄っすらと確認できますが、どうも分かりにくい・・・
二人の人間が抱擁している像「石人像」の様子。ライトアップとロウソク、両立させるのは難しいのかもしれません
「亀石」のレプリカと、背後には「猿石」の面々。ここもライトアップが強めのため、ロウソクの灯りはよく見えませんでした
一日で全て周ることは難しいでしょう
簡単に気づいた点だけメモしておきますが、、、、
●飛鳥光の回廊の期間中は、一部で車での通行が規制されますので、車での移動はやや厳しいかもしれません。
●レンタサイクルで周っている人の姿を見かけましたので、夜でも借りられる(ライトが付いている自転車を用意している)レンタサイクル業者さんもあると思われます。夜道はやや危険ですが、これが一番効率の良い方法でしょう。
●明日香村ほぼ全域が会場となるため、一日で全てを周ることは不可能でしょう。しっかりルートを決めて挑みましょう。
●この時期の明日香村は、彼岸花がほぼ満開となります。夕方前に到着して彼岸花を見てから・・・というルートがオススメです。
私も今年はほとんど周れませんでしたが、「来年こそ!」と思っています。とても飛鳥らしい雰囲気を味わえるイベントだと思いますので、来年はぜひどうぞ!
■飛鳥光の回廊 @2009年
HP: http://www.asukanko.or.jp/
開催日: 2009年9月19日(土)・20日(日)18:00点灯-21:00消灯
会場: 明日香村内(岡大字、飛鳥大字、島庄大字、橘大字、川原大字、国営飛鳥歴史公園高松塚周辺地区及び石舞台地区及び祝戸地区、飛鳥寺、岡寺、橘寺、川原寺、石舞台古墳、亀形石造物、奈良県立万葉文化館、飛鳥資料館、近鉄飛鳥駅前、伝板蓋宮跡、水落遺跡、健康福祉センターたちばな、他
主催: 明日香村観光交流活性化事業実行委員会
電話: 0744-54-4577
■「飛鳥光の回廊」の様子が掲載されているサイトさん