奈良のランドマークとして親しまれる「興福寺五重塔」(国宝)の特別公開で、初層の12躯の仏さま、塔の中心を貫く心柱(の根本部分)などを拝見してきました。特別公開の後、約120年ぶりの大規模な修理が始まり、全体が素屋根に覆われます。2030年3月までその姿が見えなくなってしまいますので、今のうちに目に焼き付けてきました。
約120年ぶりの大規模修理の前の特別公開
奈良のランドマークであり、これまで何度も前を通り、何枚も写真を撮ってきた興福寺五重塔(国宝)。明治33年(1900)以来という、約120年ぶりの大規模修理に入る前の特別公開が開催中です(2022/9/17~10/16)。

『興福寺』五重塔の初層を拝観しました!@奈良市(2008-11-04)奈良に来てからというもの、何度も何度も前を通ってきた『興福寺』の「五重塔(国宝)」。その内部に入ることなど、これまで考えたこともありませんでした。五重塔の初層だけではなく、南円堂の内陣、北円堂まで一斉に公開!参拝してきました。
調べてみると、私たちは2008年11月(今から14年前!)に行われた特別公開の際に参拝していました。その後も幾度か開催されていますが、もうそんなに経つのかと驚きました!


今回の特別公開は、当初は2022年3月に実施予定でしたが、新型コロナの感染急拡大のため延期されていました。今回は感染防止対策を徹底して実施されます。



五重塔初層には柔和な印象の12躯の仏さまが

▲大規模な修理は明治33年(1900)以来。遠目からはあまり気づきませんが、間近で見ると傷みが目立ちます。適切な修繕が必要なタイミングであることが実感できます。
▲興福寺五重塔の初層の須弥壇には、薬師三尊像(東)・釈迦三尊像(南)・阿弥陀三尊像(西)・弥勒三尊像(北)の計12躯が安置されています。五重塔の再建から間もない時期に造られたもので、当時の奈良の各寺の仏像を多く手掛けた椿井仏所の仏師の作だとか。
▲どの仏さまも室町時代の作ということで、奈良の基準で考えると比較的新しい像となりますが、どこかおっとり柔和な表情と体躯をなさっています。これから五重塔を見上げるたびに、「あんな優しい仏さまがいらっしゃるんだ」と具体的にイメージできるようになるのは嬉しいですね。
▲須弥壇の下部(北側)の板が外してあり、五重塔の心柱が巨大な礎石の上に乗っている部分も見られます。心柱は塔を貫く中心であり、地震などの揺れを吸収する役割も果たしています。


工事終了は2030年3月予定。しばしお別れです




興福寺 国宝特別公開「五重塔」
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会期 | 2022年9月17日(土)~10月16日(日) |
時間 | 9:00~17:00(最終受付 16:45) |
拝観料 | 大人・大学生 1,000円、中高生 600円、小学生 400円 |
電話 | 0742-22-7755(本坊寺務所) |