奈良県立橿原考古学研究所附属博物館の特別展『家形埴輪の世界』(6/19まで)。奈良県内の出土品はもちろん、東日本と西日本で最大の家型埴輪、変わった作りのものなど、いろんなタイプが観られました。奥深い家型埴輪の世界の入口を楽しく拝見できました!
サイズも形もいろいろ。奥深い家形埴輪の世界

「奈良県立橿原考古学研究所附属博物館」(Twitter・Facebook・YouTube)で開催中の特別展『家形埴輪の世界』を拝見してきました。
家形埴輪は、埴輪が古墳上に配置された全期間にわたって存続したと考えられる数少ない種類の一つです。ただし、構造が複雑で大型品も多いため、その実態がよく分からず、展示で取り上げられる機会が少ない埴輪でもあります。このたびの展覧会では古墳時代の政治的な中枢が存在した奈良県内の資料を中心に、東日本と西日本で最大の製品も展示して、謎の多い家形埴輪の実態に迫ってみたいと思います。
橿考研博物館HPより
埴輪にもいろんなタイプがありますが、人物や動物を模した埴輪と比べると、家形埴輪はどうしても地味な印象となってしまいます。今回の特別展はそんな渋いジャンルに真っ向から挑んだもので、奈良県内はもちろん、全国の特徴的な出土品が見られてとても楽しい内容でした。
さすがに「どなたにもぜひ」とお勧めはしませんが、奥深い世界のほんの入口は覗けたと思います。
会期は2024年6月16日(日)まで。もう残りわずかですので駆け足でご紹介します!




日本で最大+東日本で最大の家形埴輪も展示




▲今城塚古墳(大阪府高槻市)出土の、日本最大の家形埴輪です。今城塚古墳は全長190mの大型の前方後円墳で、4区にわかれて埴輪が配置された「埴輪祭祀場」があることで有名です(会場に解説パネルあり)。大きさはもちろん、千木や堅魚木などの造形が見事。さすがの迫力でした。

▲壬生富士山古墳(栃木県壬生町)出土のもの。径86mの大型円墳の墳頂から、東日本最大の家形埴輪を含む2つの家形埴輪が出土しているとか。屋根の上部に格子状の飾り、屋根全体に三角文が描かれているなど、とてもスタイリッシュ!

▲会場に掲示してあった各パーツの名称。私たちもそれなりに建築好きなんですが、それでもややこしい世界です。見方を覚えていくとより楽しくなりますよ!


いろんなタイプの家型埴輪が観られて、とても楽しい内容でした。渋い内容ですが、興味のある方はぜひ!

特別展「家形埴輪の世界」
会期 | 2024年4月20日(土)~6月16日(日) |
会場 | 橿原考古学研究所附属博物館 |
料金 | 大人 800円、高校・大学生 450円、小・中学生 300円 |
橿原考古学研究所附属博物館
HP | 【公式】奈良県立橿原考古学研究所附属博物館 |
SNS | Twitter Facebook YouTube |
住所 | 奈良県橿原市畝傍町50-2 |
電話 | 0744-24-1185 |
開館時間 | 9:00~17:00 |
休館日 | 月曜日 ※会期中の祝日は開館、翌日休館 年末年始 |
駐車場 | あり(無料) |