2013-12-09

滋味深い大和伝統野菜のお店『清澄の里 粟』@奈良市高樋町

滋味深い大和伝統野菜のお店『清澄の里 粟』@奈良市高樋町

貴重で滋味深い「大和伝統野菜」を中心としたお料理を食べさせてくれる『清澄の里 粟』さん。一度は行ってみたかった憧れのお店でしたが、ようやく念願が叶いました!どのお料理も繊細で美味。一口ごとにみんなで歓声をあげていたほどです。色んな野菜を楽しく味わえる素敵なお店でした。山羊のペーターも愛らしかったです!


営業はお昼のみ。完全予約制で1日20席限定

奈良の伝統的な「大和野菜」をメインに、上質なお料理を食べさせてくれる人気店『清澄の里 粟』さん。

営業はお昼のみ。完全予約制で「1日20席限定」(14時半からは空き席をカフェ利用できます)というスタイルです。ミシュランガイドからも星が与えられるなど、ただでさえなかなか予約が取れないお店として知られていたところ、2013年11月には人気ドキュメンタリー番組『情熱大陸』でも紹介され、ますます予約が集中していることでしょう。

私たちは、以前に奈良町にある『粟 ならまち店』を利用させていただいたことがあり(紹介記事)、そのあまりの美味しさに驚いたものでした!

ずっと本店へもお邪魔したいと思いながらも、これまでなかなか機会がありませんでしたが、情熱大陸が放送されればますます予約が取れなくなるはずです。放送の数日前に予約の電話を入れてみたところ、すでにこの時点で2週間待ちくらいでした(笑)


清澄の里 粟@奈良市高樋町-01

奈良市高樋町(たかひちょう)にある『清澄の里 粟』さん。169号線から187号線を東へ進んだ奈良市高樋町にあり、近くには算額のお寺『弘仁寺』さんがあります。駐車場から建物へ続く道が上り坂になっていますが、それほど距離はありませんのでご安心を

清澄の里 粟@奈良市高樋町-02
お店の入口脇には、穏やかな表情の田の神様がいらっしゃいます。野菜がお供えしてありました。また、敷地内には石室へ入れる「弁天塚古墳」(紹介記事)もありますので、興味のある方はぜひ!

清澄の里 粟@奈良市高樋町-03
『清澄の里 粟』さんの店内の様子。木の雰囲気が優しく、天井も高くて広々しています。基本的にお昼のみの営業で、一日20席限定。時間で区切ってお客さんを入れ替えて…という発想とは無縁なんでしょう。ゆったりと食事を楽しめます

清澄の里 粟@奈良市高樋町-04
別アングルから。他のお客さまの姿が無くなってから撮影しました。テーブルの間隔もゆったりしています


大和伝統野菜・家族野菜・エアルームなど

粟のオーナーの三浦さんご夫妻は、地元の農家の方々と連携して、一般にはほとんど流通していないような貴重な野菜を栽培し、それを調理してお客さまに提供しています。

そのきっかけとなったのは、古くから奈良で栽培されてきた「大和伝統野菜」と呼ばれるものたちです。

●【大和の伝統野菜】 大和まな、千筋みずな、宇陀金ごぼう、ひもとうがらし、軟白ずいき、大和いも、祝だいこん、結崎ネブカ、小しょうが、花みょうが、大和きくな、紫とうがらし、黄金まくわ、片平あかね、大和三尺きゅうり、大和丸なす、下北春まな、筒井れんこん

いずれも全国的には知られていませんが、大和の国でずっと食されてきた野菜ばかり。奈良県でも数年前から保護と認知度アップに取り組んでいます。三浦さんが関わるNPO法人清澄の村の「大和伝統野菜物語」というページでも詳しく紹介されています。


●【家族野菜】 量産できない・生産性が低いなどの理由からほとんど一般流通しないが、家族向けに細々と作られ続けてきた美味しい野菜

●【エアルーム】 Heirloom。海外の伝統野菜のこと。世界の様々な民族が何世代にもわたって受け継いできた貴重な在来種

こうした希少な野菜も加えて、年間100種類以上を栽培・保存していらっしゃるそうです。

いずれも名前を聞いたこともないような、そして見た目もユニークな野菜ばかり。それらが店内の至るところに置いてあって、手に取れるようになっています。また、スタッフの方からその野菜の特徴などを詳しく教えていただけますから、観ているだけでもワクワクします!


清澄の里 粟@奈良市高樋町-05

テーブルの上はこの通り。大和伝統野菜や家族野菜など、観たこともない、またどれに分類されるのかすら分からないような野菜が並べられています!

清澄の里 粟@奈良市高樋町-06
置いてあるお野菜は、単なる飾りではありません。お料理が登場した際に、スタッフの方が一品ずつ丁寧に説明してくださるのですが、その際に手にとって「これです」と教えてくれたりします。謎の野菜がこんなに美味しいんだと、感激も倍増するんです!く

清澄の里 粟@奈良市高樋町-26
分厚いファイルに、ここで提供している野菜たちの詳しいデータがずらりと掲載されています。これは「かぼちゃ」のページ。栗将軍・つる首かぼちゃ・かちわりかぼちゃなど、滅多に名前すら聞かない品種が紹介されていますが、テーブルの上に実物が置いてあったりします。名前を当ててみると楽しいですね

清澄の里 粟@奈良市高樋町-27
これは「エアルーム トマト」のページ。ものすごい種類です!


食事メニューは「粟おまかせコース」など2種類

『清澄の里 粟』さんの食事メニューは2種類(詳しくはこちら)。

●粟おまかせコース(@3,500円)
清澄の里で育てられたお野菜を素材としたコース形式のお料理。「前菜・和物・お惣菜・季節食材の煮物・陶板焼き・焼き魚・揚物・黒米入りの豆御飯・香物・お味噌汁・デザート・ドリンク」のセット

●粟大和野菜のフルコース(@5,000円)
上記のコースに、大和牛を使用したお料理などが加わったセット

今回は義母たち4名でお邪魔して、よりグレードの高い「粟大和野菜のフルコース(@5,000円)」をいただいてみました!

どのお料理も繊細で美味。味付けはとてもシンプルですが、滋味深い野菜味わいが感じられ、一口ごとにみんなで歓声をあげていたほどでした。大和伝統野菜を中心に、色んなお野菜が使用されていて、この日だけで何種類の食材を食べたのか想像できないほどです。

覚えている限りでお料理の内容を説明していきますが、使用されているお野菜についての説明が主になります(※お店の方のご説明を録音して書き起こしました。間違えがあったらご容赦ください)。どんな味わいなのか想像しながらご覧ください!


清澄の里 粟@奈良市高樋町-07

席につくと、テーブルにお料理がセッティングされていきます。中央にあるのが食前酒代わりのブルーベリーのジュース。奥のレンゲに乗ってるのは、お鍋に入れる大和芋です

清澄の里 粟@奈良市高樋町-08
前菜。手前右から時計回りに。●赤キャベツのピクルス風 ●おあげさんと菜っ葉(野川まな)の煮浸し。野迫川村の野菜で、結球しない白菜のようなものだとか ●バターナッツのきんぴら風炒め。ひょうたん型の不思議なかぼちゃです ●ミートパイ風のパイ包み。 ミンチ肉に似た味わいで精進料理のお肉代わりに使われたりする「たかきび」と、ご近所で育った「粟」が使用されています。このパイ包みが絶品!

清澄の里 粟@奈良市高樋町-09
●生ゆば。大和芋とわさび菜つき ●大和牛の自家製ローストビーフ ●オーナーの手作りこんにゃく。小さな柚子と紅芯大根の付け合せも

清澄の里 粟@奈良市高樋町-10
●豆乳鍋。エビやホタテが入った海鮮仕立てで、黒丸だいこんなども入っています。粘り気の強い大和芋を落とすと、固まってお団子状に。スープはとてもシンプルですが、ここに柚子胡椒やポン酢を加えると、またまったく違った美味しさが!みんなして最後の一滴まで飲み干しました!

清澄の里 粟@奈良市高樋町-12
●季節食材の煮物。もみじ型の生麩・紫キャベツ・今市町の特産「今市かぶ」・しいたけ・宿儺(すくな)なんきん(岐阜県高山の特産)・里芋・黄金かぶ・大和まな・冬瓜・めはり寿司などに使う下北山村の特産「下北春まな」・粟を使った粟餅。薄味なので、野菜の旨味がしっかりと感じられます

清澄の里 粟@奈良市高樋町-13
左手から。●まぐろのカルパッチョ風 ●「あやめ雪」というかぶ ●「紅芯大根」など3種類を使用した大根のサラダ ●「金糸瓜」(そうめんかぼちゃ)の甘酢

清澄の里 粟@奈良市高樋町-14
左から。●いわしのみりん干し ●滋賀の伝統野菜「万木(ゆるぎ)かぶ」 ●炊いたチンゲン菜 ●ニンジンと絡めた「隼人瓜(はやとうり)」(熱帯アメリカ原産のお野菜) ● 手作りこんにゃく。

清澄の里 粟@奈良市高樋町-15
●季節の野菜の天ぷら。炒めると緑になる「紫とうがらし」・ラディッシュ・食感がれんこんに似ている「菊芋」・ネックの部分が伸びた「つる首かぼちゃ」・巨大で不可思議な形の「宇宙芋」など。青い野菜は青っぽい味が、お芋系は芋っぽい味が。本当に美味しかったです!

清澄の里 粟@奈良市高樋町-16
●黒米入りの豆御飯(お代わり自由。しそのふりかけ付き) ●香物 ●冬瓜とかぶの味噌汁。ここまで上品なお野菜を少しずついただいて、それなりにお腹も膨れてきていましたが、最後の御飯がお代わり自由なのは嬉しいですね!しそのふりかけも美味しくて、3杯ほどいただきました(笑)

清澄の里 粟@奈良市高樋町-17
●デザート。ケーキ(チーズケーキorチョコレートケーキ)・色んなコンポート(りんご・富有柿・キウイ)・ドリンク(奈良産「和紅茶」orコーヒー)・オリジナルの手作り和菓子「粟生」(あわなり)

清澄の里 粟@奈良市高樋町-18
粟生(あわなり)を割ってみたところ。生地は粟「むこだまし」を使用しています。三浦さんが十津川村の農家に大事に保管されていた種を復活させたもの。もっちりとしていて、まるでもち米のよう!餡は、幻の小豆と呼ばれる「白小豆」、そして宇陀の特産「宇陀大納言小豆」。モチッとした食感も、優しい甘さも絶妙!いくつでも食べたくなるお味でした


ペーターたち山羊の一家の姿に和みます

『清澄の里 粟』さんには、マスコットともいえるヤギたちが暮らしています。

住人は、牡山羊・ペーター、雌山羊・なな、その子・華。彼らは建物周辺の草を食べてのんびりと暮らしていますが、ペーターは特に利口です。

毎日、お昼すぎになると、調理の際に余った美味しい野菜を与えているそうですが、ペーターはそれを覚えていて、その時間になると大きなガラス戸を自分で開けて(!)、窓から顔を覗かせるんです!ただし、(一応)店内には入ってこず、じっと物欲しげな顔で室内を見回しているんですよね(笑)

店内から、彼らがうろうろしているテラスが見えますから、お料理を待つ間もまったく退屈しません。撫でるのはもちろん、お願いすればエサやりもできますから、お子さんはもちろん、大人でも楽しいですね。動物好きにはたまりません!


清澄の里 粟@奈良市高樋町-19

テラスから中を伺う牡山羊・ペーター。彼はとても賢くて、脚と頭を使って大きなガラス戸を開けます!

清澄の里 粟@奈良市高樋町-20
手前がなな、奥がペーター。こんな間近で観られるのも貴重ですし、頭だって撫でられます。わずかなヤギの匂い(ちょっとオイルっぽい)がありますが、まったく気になりませんでした

清澄の里 粟@奈良市高樋町-22
ななのお腹は大きくて、ぽっこりと横に膨らんでいました。「1週間以内に出産するだろう」とのことでしたが、このわずか3日後に双子の女の子を出産したそうです(写真入りで紹介されています「ヤギの赤ちゃん」)

清澄の里 粟@奈良市高樋町-23
大量の野菜を与えられても、あっという間に食べ尽くしてしまいます。この時ばかりはエサを巡ってちょっとした小競り合いがありますが…

清澄の里 粟@奈良市高樋町-24
お腹が膨れればとっても仲良しです!

清澄の里 粟@奈良市高樋町-25
テラスからの眺め。この日は薄曇りで見晴らしが悪かったですが、普段は大和盆地も一望できるそうです


大和伝統野菜を目・耳・舌で楽しめました

結局、この日はお昼すぎに入店して、閉店時間(16時)近くまで長居させていただきました。

粟さんのならまち店でも感じたことですが、お料理が美味しいのはもちろんのこと、三浦さんやスタッフの方たちの接客も素晴らしいんですよね。最初は真ん中の席でしたが、窓際席が空いたらそちらへ移動させてくださったりと、最低限の予約しか受け付けないからこそ、細やかな心配りが出来るのでしょう。

自分たちが育てた野菜の良さを、特徴を伝えるために、分かりやすく説明してくださるだけでも、客からしたら立派なエンターテイメントです。目で、耳で、舌で、何度でも驚きがあって、本当に楽しい時間を過ごせました。

奈良郊外でお昼のみの営業、さらに要事前予約と、決してハードルは低くありません。しかし、それ以上の価値がありますので、奈良好きな方こそぜひ訪れてみて欲しいですね!


清澄の里 粟@奈良市高樋町-28

お店の一角にはギャラリースペースも。関連書籍が置いてあったり、オリジナルの「大和伝統野菜ポストカード」なども販売されています

清澄の里 粟@奈良市高樋町-29
農関係の本が自由に読めるようになっています。また、オーナー三浦夫妻のご著書『家族野菜を未来につなぐ: レストラン「粟」がめざすもの』(紹介記事)も販売されていました。とても興味深い内容で、一般書店でも見つかりますのでぜひ!

清澄の里 粟@奈良市高樋町-30

清澄の里 粟@奈良市高樋町-31



大きな地図で見る


■清澄の里 粟

HP: http://www.kiyosumi.jp/awa-kiyosumi/index.html
Facebook: Project 粟

住所: 奈良県奈良市高樋町861
電話: 0742-50-1055
定休日: 不定休
営業時間: 11:45 - 16:00
駐車場: あり
アクセス: 近鉄奈良駅から車で約25分、天理駅から車で約10分

※要予約(1日20人限定)
※実際にお邪魔したのは「2013年12月6日」でした。


●【食べログ】の該当ページへ

粟 アワ - 帯解/創作料理 [食べログ]


■参考にさせていただきました

大和野菜公式紹介ページ
農家レストラン 清澄の里 粟 奈良市 - 奈良っこグルメ
『家族野菜を未来につなぐ: レストラン「粟」がめざすもの』書評 by【奈良住】読書リスト


■関連する記事










  • Twitterでフォローする
  • Facebookページを見る
  • Instagramを見る
  • ブログ記事の一覧を見る







メニューを表示
ページトップへ