奈良を愉しむ

【PR】奈良オーベルジュ旅 その2『NIPPONIA 田原本 マルト醤油』宿泊レポート

奈良オーベルジュ旅『NIPPONIA 田原本 マルト醤油』@田原本町-00
※記事内に商品プロモーションを含む場合があります。

「奈良オーベルジュ旅」の宿泊は、奈良最古の醤油蔵がオーベルジュに生まれ変わった『NIPPONIA 田原本 マルト醤油』さんです。何よりも “醤油づくし” の夕食が素晴らしく、端正な和モダンに整えられた空間の中で、優しい静寂に包まれた心地よい時間を過ごせました。驚きと感動が連続する宿泊体験でした!

※協力:奈良県

“奈良最古の醤油蔵”に宿泊できます

「奈良オーベルジュ旅」では、奈良最古の醤油蔵をオーベルジュに生まれ変わらせた『NIPPONIA 田原本 マルト醤油』さん(InstagramFacebook)に宿泊させていただきました。

1689年に創業した「マルト醤油醸造所」は、地元産の原材料と天然醸造製法にこだわった丁寧な醤油づくりを続け、かつては皇室御用達でした。しかし、大戦後の食糧難により閉業してしまいます。

それから70年を経た今、18代目のご当主などの尽力により “泊まれる醤油蔵” として生まれ変わっています。

▲『NIPPONIA 田原本 マルト醤油』さんの外観。門構えからして老舗の風格が漂っています。肥沃な田畑が広がるのどかな土地に残された古くからの町並み。その中心となる立派なお屋敷です。
▲門をくぐったところ。美しく手入れされたお庭が出迎えてくれます。敷地内には、醤油蔵や醸造場、代々の当主が暮らした「大和棟」と呼ばれる建築様式の母屋などが建っています。
▲母屋の中には、美しくモダンな室内空間が広がります。
こちらはかつて最上級の客間だったお部屋で、床の間の天井が折り上げ式になっているなど、随所に格式の高さが見て取れます。宿泊者はこんな豪華な空間でお食事できるんです!
▲広間の奥まで凛とした美しい空間が続きます。欄間や建具の紋様が見事で、思わずまじまじと見惚れてしまいました。中庭の壁が橙色に塗ってあるのも珍しいです。庭に植えられたヤツデとともに厄除けの意味があるのだそうです。
▲チェックインの受付を済ませると、ウェルカムフードとして「もろみほうじ茶フィナンシェ&ほうじ茶」が提供されました。

フィナンシェはチョコレートの焼き菓子ですが、ここにマルト醤油さんの「醤油もろみ」も使用されています。塩味は感じられるものの、角のないまろやかな味わいで、ふくよかな醤油の風味がぶわっと広がります。意外性のある嬉しいおもてなしでした。

原材料庫を客室に。伝統の美が感じられます

▲『NIPPONIA 田原本 マルト醤油』さんでは、母屋の二階部分、古文書などが保管されていた蔵を活用した部屋など、7つの客室があります。

この日、私たちが宿泊したのは、1階は原材料庫(大豆・小麦・塩)、2階に醸造職人が寝泊まりをしていた蔵だった南棟の客室「初瀬(はせ)」でした。
▲客室の入口部分。神社の鳥居の形になっていることがわかります。
新たにこういった装飾を加えたのではなく、原材料庫だった当時からのもの。大地からの実りに敬意を払ってのことなのだとか。
▲客室「初瀬」内の様子です。太い梁などは江戸時代そのまま。壁も一部はむき出しになっていて、ところどころに使用された古新聞の痕跡が見られたりします。かつてはここに原材料の大豆が積まれていたんですね。
▲客室を別角度で。奥に水回りが追加され、2階部分の床や手すり、階段などは新しくなっています。
▲階段部分から見たところ。2階部分はどっしりと太い梁の下にベッドが並びます。一部を吹き抜けにした面白いリノベーションです。

蔵の2階部分は、かつては職人さんの住居として使われており、その当時と同じ位置にベッドが置かれているとか。先人への敬意が伝わってきます。
▲お風呂の様子。ヒノキ製で、サイズも1200あってゆったりしています。

搾った生醤油を味わえる「醤油しぼり体験」

▲夕方からは、宿泊者向けの「館内ツアー」と「醤油しぼり体験」に参加させていただきました。

頭上にあるのは作業に使用した滑車「阿弥陀ぐるま」。この下にはかつて竈門(かまど)が設置されていました。ここで7~8時間かけて大豆を煮続け、職人さんたちはその様子を上の休憩所から監視していたそうです。
▲こちらは現役の醤油の醸造蔵です。上屋は江戸時代のままですが、現在は保健所からの指導などもありステンレス醸造槽を使用しています。醤油づくりが行われなかった70年間も、この木造の建物には菌が生きていて、奇跡的に当時の味を復活することができたのだとか。

ご当主の説明はとてもリアルでわかりやすく、家業への熱意がひしひしと伝わってきました。
▲「醤油しぼり体験」では、ところてんを押し出す器具のようなものを使って、醤油もろみを絞る体験ができます。ぎゅっと力を込めるのではなく、じわーっと押すのかコツです。

さらにこの後、自分で搾った搾りたて生醤油を、炙った吉野葛にかけていただきました!こんな貴重な体験、他ではできません!

夕食は“醤油づくし”!驚きと感動の連続です

▲夕食は母屋1階の席でいただきます。美しく飾られた床の間を背に、ほのかな灯りがともされたお庭などを愛でながら、ゆっくりとお食事を味わいました。
▲地元の原材料でつくった醤油と、季節の野菜をふんだんに使ったお料理だけに、地酒との相性は抜群です。地酒のラインナップも豊富で、この日、私は「みむろ杉」「篠峯」などをいただきました。
▲こちらがこの日のお品書きです。和モダンのコース料理で、オリーブ醤油からはじまって、ラストのキャラメル醤油まで、まさに “醤油づくし” !「どんなお料理が出てくるんだろう?」とますます期待が高まります。
▲向かって左上から時計回りに、
・オリーブ醤油(茶碗蒸し)
・醤油だれ(つくねと宇宙芋のチップスなど)
・泡醤油(ホタテや牡蠣など)
・もろみ柚子胡椒(サワラ焼き)


すべてのお料理にお醤油が使われていますが、その表情が一品ごとにまったく違っていて、驚きの連続でした!
▲「生醤油」はお造りで味わいますが、こちらも趣向が凝らされています。お醤油がスポイトの中に入っていて、数滴ずつ垂らしていただきます。お醤油のコクと風味が濃厚なので、ほんの数滴で旨味が広がり食材にニュアンスをもたせてくれます。

その手前にあるのは醤油もろみのお塩。焼き塩にしてあり、お刺身につけて美味しいのはもちろん、少しずつ舐めているだけで日本酒の最高のアテになってくれました!
▲メインとなる「落花生醤油」を使用した一品。大和牛のリブロースに落花生醤油といぢじくのピュレソースが添えてあります。醤油の旨味に落花生の香ばしさが加わり、ぶわっと華やかな印象に!お肉につけて美味しいのは当然として、付け合わせの地元産お野菜たち(ひもとうがらし、十津川産シメジ、味間(あじま)いもなど)との相性も最高でした。
▲あまりの美味しさに驚いたのが「もろみ麹」の一品です。干しエビの炊き込みご飯の上に、もろみ醤油がまぶされていて、かき混ぜると一気に香り立ちます!

私は普段は夜にご飯ものはあまり食べないんですが、これは止まらなくなってしまって、夫婦でぺろりと平らげてしまいました。
▲豪勢なお食事をいただいてお腹いっぱいになりながらも、部屋へ戻って飲みなおしです。

お部屋の冷蔵庫には、無料でいただけるジュース・お水などとともに、奈良県産クラフトビール(※有料)が常備してあります。こちらはなら麦酒ならまち醸造所さんの「ならまちエール」。醸造の際に大和ほうじ茶の葉を入れた、まろやかな風味が特徴です。
▲2階のベッド脇で、かつての醤油づくりの職人さんたちの姿に思いを馳せながらのんびりと。

客室にはテレビは置かれていませんし、部屋には近くに大きな道路や鉄道が走っていないので、本当に静かです。今の時代、この静けさはとても貴重ですね。

清々しい「朝参り」 朝食には卵かけご飯も

▲ぐっすりと眠った翌朝、当主ご自身の解説付き「朝参り」体験をさせていただきました。

近隣に鎮座する「村屋神社」は、天上から稲作を伝えたとされる三穂津姫命、そして大物主命のご夫婦の神々をまつる古社で、“大神神社の別宮” と称されています。日中に参拝すると、美しい御朱印もいただけます。
▲当主のご説明は、この一帯の歴史や風土にも及びます。
大和青垣が見渡せるこのエリアは、中ツ道・長谷街道・大和川が交わる場所で、古くから栄えてきました。古墳が築かれた時代から、たくさんの荷を積んだ船が行き交っていた近代まで、歴史が立体的に浮かび上がってくるかのようです。気持ちのいい朝日を浴びながら、すがすがしい空気をたっぷり吸い込むことができました!
▲朝参りでお腹を空かせた後は、お楽しみの朝食のお時間です。
地元産ヒノヒカリの新米を自然卵の卵かけご飯で。大和高原鶏の醤油あんかけ、三輪そうめんの煮麺などといただきます。どれもはっとするほど美味しいんです!
▲お醤油の良さを体感するには、やはり卵かけご飯がベストでしょう。そんな期待に応えてくれるかのように、朝食には厳選した卵(黄身が白い!)が登場します。濃厚な醤油を数滴たらしていただくと、まさに最高でした!

マルト醤油さんの「大和一雫 生揚げ」はネットでも購入可能です。宿泊のお土産として購入もできますので、ぜひお買い求めください。
▲余談になりますが、宿泊させていただいた朝、旅先で走る「旅ラン」をやってきました。

田原本町はまったく知らない土地ではないとはいえ、自分の脚で走ってみる景色は、自動車に乗って見るそれとはまったく違います。美しい大和青垣や歴史を感じる細い路地を、新鮮な気持ちで体感してきました。これも旅の楽しみですね!

調度品なども見事。最高のオーベルジュ!

▲宿泊させていただいた『NIPPONIA 田原本マルト醤油』さん。奈良県最古の醤油蔵元の建物というだけでもすごいのに、細部まで本当に凝っていて、その雰囲気をまったく損ねていません。

投網をデザインした欄間なども見事に残されていますし、醤油樽の栓をルームキーとして使ったり。魅せ方も洗練されていてかっこいいんです。本当に素晴らしいお宿ですので、大いにご期待ください!

NIPPONIA 田原本 マルト醤油

HPhttps://maruto-shoyu.co.jp/
SNSInstagram Facebook
住所奈良県磯城郡田原本町伊与戸170
電話0744-32-2064
定休日無休(レストランのみ水曜日定休)
料理ジャンル日本料理
レストラン※完全予約制
ランチ:11:30~14:00(L.O.12:30)
ディナー:18:00~21:00(L.O.18:30)
客室数7室(定員 最大5名)
宿泊単価32,000円(税・サ込)~/名
※1泊2食付・2名1室の場合の参考価格
アクセス・近鉄「田原本駅」から車で約10分。
・名阪国道「天理東IC」より車で約20分 など。

※実際に利用させていただいのは「2022年10月24日~25日」でした。
※詳しくは公式HPをご覧ください。

歴史的なスポットが点在する奈良県は “食” の魅力も尽きません。
奈良の観光の際には、その土地の風土を活かしたお料理が味わえるオーベルジュをぜひご利用ください!

※「ぐるっとオーベルジュなら」ホームページ