
日本酒の利き酒やスイーツも!『酒蔵カフェ 久保本家酒造』@宇陀市
宇陀市大宇陀にある創業300年を超える老舗酒蔵が、蔵を改装した『酒蔵カフェ 久保本家酒造』をオープンしました。伝統的な「生もと造り」にこだわった日本酒「初霞」「睡龍」など、高精白・古酒・にごり酒の飲み比べが楽しめます。どれもまろやかで本当に美味しかったです!酒粕のスイーツや糀のドリンクメニューなど、お酒が飲めない方でも楽しめます。歴史ある街並みの散策と合わせてどうぞ!
創業は元禄十五年。300年を超える老舗です
宇陀市大宇陀の『久保本家酒造(くぼほんけしゅぞう)』さんは、創業は元禄十五年(1702年)、300年を超える歴史をもつ酒蔵です。手間のかかる「生もと造り」(「もと」は酉へんに元)にこだわっており、代表的な銘柄は「初霞」「睡龍」など。食中酒として最適なまろやかな日本酒を作り続けています。
そんな老舗酒蔵の一角を改良して、『酒蔵カフェ 久保本家酒造』がオープン。歴史ある建物の一角で、日本酒の飲み比べセットや造り酒屋ならではのスイーツなどが味わえます。
酒蔵の前の通りは歴史ある「伊勢本街道」です。宇陀松山地区には約200軒もの古い建物が遺されていて、2006年には「重要伝統的建造物群保存地区」に選定されています(紹介記事)。街歩きが楽しいエリアですので、散策の前後に立ち寄ってみてください。
大宇陀の老舗「久保本家酒造」さんの建物を裏手から見たところ。300年を超える歴史のある蔵だけに、立派な建物です!なお、駐車場はありませんが、徒歩すぐのところに51台駐車可能で、足湯まで併設されている「道の駅 宇陀路 大宇陀」があります。ここから歩いてすぐですので、車の方はこちらを利用しましょう
道の駅側の通りからの入り口。お店への近道です。軒先から吊るされた杉玉が描かれたロゴがいいですね!定休日は「月曜・火曜」(祝日は営業)、営業時間は「11時~16時」です
正面の入り口。酒蔵カフェのロゴにも描かれていたように、新酒が醸されたことをしめす杉玉が5つ吊るされています。ここで直接お酒を購入することもできます。カフェへの入り口はこのお隣にあって……
大きな造り酒屋さんの通り庭を歩いて、奥へ奥へと進みます。「カフェはこちら」と表示が出ていますが、人さまのお宅をこっそりと探検しているようで楽しいです!
こんな立派な和のしつらえがあったり……
白い壁があざやかな蔵の前を通ったり!
酒蔵をリノベーションしたシックな店内
『酒蔵カフェ 久保本家酒造』さんの店内の様子。落ち着いた雰囲気でいいですね!
別アングルから
上を見上げてみると、古い部材を活かしながら、新しい部材と組み合わせています。蔵らしい小さな窓もいいですね
「利き酒セット」や酒粕のスイーツなども
『酒蔵カフェ 久保本家酒造』さんのメニュー。日本酒好きな方は、メインブランドの初霞の3種類を飲み比べできる「本日の利き酒セット」をどうぞ。酒肴付きは「大」(各60ml・@800円)と「小」(各40ml・@600円)の2種類。お酒のみでも味わえます
日本酒単品でも注文できます。各120mlで、精米歩合50%の「初霞 純米大吟醸50」(@500円)、軽やかな「初霞 特別純米酒」(@300円)、飲みやすいにごり酒「生もとのどぶ」(@400円)」、さらには数年間も熟成させた古酒なども味わえます
「本日のスイーツセレクション」(@300円)という一品も。酒粕を使ってあったり日本酒をゼリーにしたりしたものがいただけます。また糀を使った「糀ドリンク」(@500円)各種や、お酒の仕込み水を使用した「仕込水コーヒー」(@400円)なども。お酒が飲めない方向けのメニューも豊富です
古酒もにごり酒も、口当たりまろやか!
久保本家酒造さんは、その蔵などに生息している天然の乳酸菌を取り込んで作る、昔ながらの「生もと」(Wikipedia)の酒母にこだわった酒造りをしています。手間のかかるデリケートな製法ですが、米の旨味が活かされたコクのあるお酒に仕上がるのだとか。
私は「本日の利き酒セット(酒肴付き 大)」(@800円)をいただいて、3種類を飲み比べてみました。
●「初霞 純米大吟醸50」--マイルドでスッキリした味わいを基本とし、高精白ならではの洗練された風格があります
●「初霞 生もと純米酒」--スカッと切れる男酒。渋みのある個性的な風味は、お燗することえさらにお料理を引き立てます。蔵で6年ほど寝かせております
●「生もとのどぶ」--もろみをザルで粗漉ししただけなので、お米がたっぷり。お燗がおススメの辛口のにごり酒
いずれも口当たりがとてもまろやかで、ツンと刺すようなアルコール香もほとんどありません。あまりにも穏やかで、辛口好みの私(※辛口が主流の新潟県生まれです)は、一瞬「あれっ?」と戸惑ってしまうほどですが、口の中でふんわりと風味が広がっていきます。
久保本家酒造さんのお酒は、どれも強すぎず出しゃばり過ぎないため、どんな食事にもしっくりと合う、最高の食中酒になってくれますね。「日本酒のツンとした香りが苦手」という方もいらっしゃいますが、こういう真っ当なお酒をぜひ試してみて欲しいですね。和食のパートナーには最高ですから!
「本日の利き酒セット(酒肴付き 大)」(@800円)。お酒は、向かって右手から、「初霞 純米大吟醸50」「初霞 生もと純米酒」「生もとのどぶ」。真ん中のものは5年ほど熟成させた古酒とのことで、色合いから違いますね。左端はにごり酒だけに真っ白です。いずれもいかにもクセが強そうなルックスですが、とてもまろやかなのに驚かされます!
利き酒セットについてきた酒の肴たち。クリームチーズに奈良漬、ジャコ、ちょっとしたお野菜など。しめ鯖を酒粕で和えたものが絶品でした!季節によって内容は変わると思いますが、最高のお酒のアテがいただけそうです。ちなみに、お店で提供されるお冷は、お酒の仕込み水を使っているそうです。じっくり味わってみましょう!
また、お土産として比較的リーズナブルな「初霞 大和のどぶ」(720mlで千円ちょっと)を買って帰りましたが、お値段以上の美味しさです。もったいないので、毎晩ちょっとずつ楽しんでます(笑)
酒粕スイーツや「糀ドリンク」もあります
こちらは「本日のスイーツセレクション」(@300円)。基本は、チーズケーキ(酒粕と甘糀入り)・アイスクリーム(酒粕入)・日本酒ゼリーの3品セットですが、日本酒のゼリーはアルコール分が入っているため、ほかのものに変更できます。いずれも優しい味わいで美味しかったです
こちらは友人がオーダーしていた「糀ドリンク」(@500円)。ひと口飲ませてもらおうと思ったまま忘れていたのでお味は不明ですが、とても温まるドリンクのようでした
酒蔵カフェの一角で、オリジナルのTシャツや前掛けなどが販売されています。もちろん、お酒もここで購入できますのでお土産にどうぞ!
団体さんが利用できるお座敷席もあります
なお、酒蔵カフェと続きになっている和室も、団体さんなどの予約があった場合には利用できるとか。ちょっとだけ見学させてもらいましたが、美しく手入れされたお庭が見られたり、とても落ち着く雰囲気でした
かっこよく酒器が飾ってあったりします
酒蔵を舞台にした名作漫画「夏子の酒」の作者・尾瀬あきらさんのサインも!「酒は純米、燗ならなおよし」との言葉もそえてありますね
■酒蔵カフェ 久保本家酒造
HP: 参考サイト(奈良県酒造組合)
Twitter: @kubohonke
住所: 奈良県宇陀市大宇陀出新1834
電話: 0745-83-0010
定休日: 月曜・火曜(祝日は営業)
営業時間: 11:00 - 16:00
駐車場: なし
アクセス: 近鉄大阪線「榛原駅」から車で15分ほど
■参考にさせていただきました
久保本家|睡龍 生驟宸フどぶ|奈良の地酒屋 登酒店
日本酒の鍵本 睡龍・生もとのどぶ・奈良・久保本家酒造
睡龍│すいりゅう│生もと純米酒│久保本家酒造│酒のあべたや
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