伝統的な街並みを散策できる『松山地区』@宇陀市
宇陀市の伝統的な街並みが残されている『松山地区』を歩いてきました。江戸時代の商家の趣を伝える建物がズラリと並ぶ姿は壮観です!写真を撮りながらブラリと歩くと本当に楽しいところでした。
約200軒の伝統的な建物が並びます
2006年には「重要伝統的建造物群保存地区」に選定された、宇陀市の『松山地区』。今でも約200軒の伝統的な建物があります。もとは、戦国時代の秋山氏の城下町として栄えましたが、秋山氏は豊臣氏に追放され、後に織田信長の次男・信雄(のぶかつ)が初代藩主の「宇陀松山藩」の中心となりました。
この日は、道の駅から松山地区を北上して、裏通りを歩いて戻ってくるルートをとりました。歴史的建造物とはいえないものも混ざっていますが、見た順番にズラズラッと掲載していきます。
松山地区散策の拠点は「道の駅 宇陀路 大宇陀」から。宇陀らしいお土産ものが販売されていたりしますし、無料で足湯まで楽しめます!源泉は「あきののゆ」から引いていて、17時まで利用できますので、歩き疲れた後にもいいですね
宇陀市の松山地区は、戦国時代の秋山氏の城下町として栄えた街並みが残されていて、2006年には「重要伝統的建造物群保存地区」に選定されています。今でも約200軒の伝統的な建物があり、ちょっとした案内看板もこの充実ぶりです
松山地区の入口部分に建つ「松山地区まちづくりセンター 千軒舎」。旧内藤家住宅を改修して、地域コミュニティーの拠点としたものです。内部は無料で拝観可能です
千軒舎の内部。この地域の説明などが展示してあり、まずここをザッと眺めておくといいでしょう。パンフレットやマップも置いてあります
千軒舎の内部は、こんな趣ある和室になっています。裏手には蔵もあり、雰囲気を壊さずに素晴らしいリノベーションが行われています
宇陀市「松山地区」の古民家など
大正末期に建てられた「森岡光彦家」。以前は料理旅館でしたが、現在は診療所になっています。この地区は平入りの家が多いそうですが、こちらは妻入りになっています。昭和初期の香りがしますね
民間の薬草園としては日本最古となる「史跡 森野旧薬園」。1926年に国の史跡に指定されています。今なお約250種の薬草が栽培されているのだとか。この日は時間の関係でお邪魔できず
1830年建築の「林家住宅」。間口が9間もある、かなり豪華な町家です。2階部分の虫籠窓(むしこまど)が美しいですね
18世紀末ごろの建築となる「黒川本店」。間口が10間半もある大きな建物で、一部を貸家としていたのだとか。ここで販売する葛は、文豪・谷崎潤一郎も愛したものなのだそうです。どこから見てもクールです!
江戸時代中期の、松山地区でも最も古い建築となる「山邊家住宅」。かつては「宇陀紙」の総元締めだったとか。割り竹を曲げて作った「犬矢来」が並ぶ姿が美しいですね
江戸時代末期の建築「川尾家住宅」。以前は豆腐屋さんでしたが、現在は専用住宅になっています。格子だけでもバリエーションがあって面白いですね。二階のひし形の虫籠窓は、松山地区でもここだけのものなのだとか
江戸末期の建築「竹田家住宅」。隣りあう2戸を1棟として使用した「2戸1町家」という形なのだとか。竹で作った「犬矢来」が並ぶ様子と、2階の意匠の違う「虫籠窓」が並ぶ姿は、重厚ながら軽やかに見えます
江戸後期の建築「森田家住宅」。以前は薬屋さんだったそうですが、現在は誰も住んでいないのだとか。玄関脇に水盤があったり、2階の虫籠窓が一部だけ出窓になっていたり、とても面白い建物です。見て面白いという点では、松山地区でも随一かもしれません
こちらも「森田家住宅」から。1階の戸袋の部分がただの板ではなく、全て薬の看板になっています!珍しい造りですね
こちらも「森田家住宅」から。「ウルエス」という薬の看板のようです。通りがかった地元のおっちゃんの話によると、この時代でアルファベットを使った看板は相当ハイカラだったのだとか。今見てみても美しいデザインですね
1931年に国の史跡に登録された「史跡 松山西口関門」(通称:黒門)。敵の侵入を防ぐためか、ややこしい角度で建てられています。それほど大きなものではありませんでした
黒門近くにある「恵比寿神社」。愛宕神社・恵毘須神社・愛宕寺の神仏混合社です
大正時代に建てられた「旧福田医院」。1階部分は現在も医院として利用されています。松山地区には珍しい洋館で、裏手にある和風の母屋とつながっているのだとか。当時のモダン建築だったんでしょうね
宇陀市「松山地区」の昭和的建物
「金星鎌」の看板がある昭和的商店。窓ガラスに味があります。ちなみに「キンボシ」という園芸用具ブランドの看板のようです
文具店の「尚文堂」さんの建物。見えづらいですが、2階部分にはコンクリート・木・レンガを組み合わせた造りになっています。この手の建物は、これから急激に減っていくでしょうね
古い民家に手を加えた建物。新聞各社の看板もいい味を出しています。このくらいのリストアだと、かえって魅力的に見えます
「日の出美術研究会」という看板が掲げられた建物。なかなかの怪しさです・・・
古い商家の建物に張り出した、木とガラスのショーケース。昔はここで何を販売して、どんなものがディスプレイされていたんでしょうね
宇陀市「松山地区」のお店など
おいしいと評判の、フランス菓子とパンのお店『アナンダ』さん。年季の入った民家です。ぜひ食べてみたかったのですが、この日はもう完売でした・・・
森野旧薬園のすぐお隣にある「大葛屋」さん。暖簾が渋くていいですね。森野旧薬園の受付もこちらから
古民家カフェ『茶房あゆみ』さん。味のある建物ですね。時間が遅かったため、すでに閉店してました
奥が、3月にオープンしたという大和牛の丼のお店「件(くだん)」さん。大和牛丼が500円という安さです!個人的には、手前の古いたたみ店さんの佇まいもそそられます
「まちなみギャラリー 石景庵」さん。中はきれいな喫茶スペースなどがあるようです
■宇陀市「松山地区」
HP:
住所: 奈良県宇陀市大宇陀区拾生1846
電話: 0745-87-2274
定休日: 年末年始
営業時間: 9:00 - 17:00
駐車場: 数台分あり(道の駅臨時駐車場を使用のこと)
アクセス: 近鉄大阪線「榛原駅」下車、奈良交通「大宇陀」行き約15分
※住所・電話番号などは「松山地区まちづくりセンター 千軒舎」のもの
※実際に伺ったのは「2010年4月18日」でした