豪商の住宅にレトロな薬の資料『薬の館』@宇陀市
宇陀市の松山地区にある『宇陀市大宇陀歴史文化館「薬の館」』です。古い薬問屋の旧居を資料館に利用しているもので、レトロな看板に古民家らしい落ち着いた雰囲気と、のんびりと楽しむことができました。
藤沢薬品工業の創設者のご実家です
奈良県宇陀市の伝統的な街並みが残る「松山地区」にある『宇陀市大宇陀歴史文化館「薬の館」』は、江戸時代の薬問屋「細川家」の住宅を利用した、薬の資料館です。
宇陀市大宇陀区は、「日本書紀」にも薬猟が行われたことが記載されているほど、古くから宮廷で使う薬草が採取されていました。江戸時代中期には薬園が開かれ、今も「史跡森野旧薬園」として保存されています。
この細川家から、藤沢家へ養子に出た「友吉」さんが、あの藤沢薬品工業(現在は、山之内薬品と合併して「アステラス製薬株式会社」になっています)の創設者となったため、館内には藤沢薬品の貴重な資料も展示されています。
宇陀市の伝統的な街並みが残る「松山地区」の一角にある『薬の館』。ここで薬問屋を営んでいた旧細川家住宅を利用して、資料を展示しています。また、細川家から藤沢家に養子に出た「友吉」さんが、藤沢薬品工業(現アステラス製薬株式会社)の創設者となったという、由緒正しきお家柄です
建物の前には、唐破風がついた「天寿丸」の立派な看板があります。天寿丸は、1835年に発売された、細川家の主力商品だったとか。当時の栄華が偲ばれますね
建物は江戸末期。豪商の邸宅らしい豪華さ
薬の館に入ってみると、本館1階部分は、和室が田の字型に9部屋連なった大広間になっています。中央部分には二階への急な階段があったり(上れません)、いかにも豪商のお屋敷らしい豪華な造りでした。建物自体は江戸末期のもので、明治時代に大改修工事を行っているそうです。
歴史的な建造物らしい、落ち着いた佇まいが良かったですね。来場者の数も多くないので、のんびりと雰囲気を味わえました。
懐かしい雰囲気の薬の看板がいっぱい!
その大広間や蔵部分には、「薬関係資料コーナー」「藤沢薬品コーナー」「細川家ゆかりのコーナー」というコーナー分けがしてあり、貴重な資料が展示されています。
歴史を感じさせる木製看板なども見ているだけで楽しいのですが、やはり現在も販売されている薬のブランド「浅田飴」「太田胃散」「ノーシン」などの看板やパッケージが見られるのが面白いですね。
松山地区の街歩きの途中にどうぞ
薬の館は、やや地味な展示内容ですが、古民家的な古い建築物がお好きな方であれば、きっと楽しめると思います。土間の竈の周辺なども、陰影のある古びたいい雰囲気でした。
この「大宇陀・松山地区」は、古い町並みが保存されていますので、休日の散策に最適です。ぜひ興味のある方は立ち寄ってみてください。
薬の館(旧細川家住宅)の中庭部分。広々とした本館と、三つの蔵・離れ・土間などで構成された、堂々たる豪商の邸宅になっています
土間部分には、古い竈が残されています。正面の二階部分には、住み込みの女中さんたちが寝泊まりしたという小部屋もありました
建物の裏手にある「別館」部分。全体として、「薬関係資料コーナー」「藤沢薬品コーナー」「細川家ゆかりのコーナー」の三部構成になっています。古い建物と、レトロな看板やパッケージがお好きな方はぜひ!
■宇陀市大宇陀歴史文化館「薬の館」
HP: 参考サイト(松山の町家ガイド)
住所: 奈良県宇陀市大宇陀区上2003
電話: 0745-83-3988
定休日: 月・火曜、12月15日~1月15日
入場料金: 300円
営業時間: 10:00 - 16:00
駐車場: 無料(8台分)
アクセス: 近鉄大阪線「榛原駅」から、大宇陀行きバス「大宇陀高校」下車、徒歩10分
※実際に伺ったのは「2010年4月18日」でした