2013-11-26

古民家と昭和とアートが融合した『さくらぁと』@桜井本町

古民家と昭和とアートが融合した『さくらぁと』@桜井本町

約3ヶ月にわたって、県内各地の町家・町並みを舞台に開催されたアートイベント『奈良・町家の芸術祭 HANARART(はならぁと)2013』。桜井本町を中心とした『さくらぁと』でラストを迎えました。歴史ある建築物とユニークなアート作品、さらに昭和レトロなムードも混ざり合って、とても楽しかったです!


アート企画に紅葉ライトアップ、婚活イベントも!

紅葉ライトアップ『等彌神社』@桜井市-01

歴史的な町家・町並みを活用してアート作品を展示する『奈良・町家の芸術祭 HANARART(はならぁと)2013』。9月7日の「五條新町」から始まり、ラスト8箇所目の会場となったのが「桜井本町」です(11月16日~11月26日)。

桜井本町では、この企画を「さくらぁと」と名付け、アート作品の展示と同時に、紅葉ライトアップ『等彌神社 献灯祭』(紹介記事)や、婚活イベント『和・さくらぁと婚』が開催されたりと、見どころの多いイベントになっていました。

この記事を書いていいる現時点ですでにイベントは終了しています。時間の関係ですべての作品は見られませんでしたが、画像中心で簡単に振り返ってみたいと思います。

中田桃子さん、厚芝ひろみさんなど @佐藤邸

HANARART2013『さくらぁと』@桜井本町-02
まずは、歴史ある町家建築の「佐藤邸」から。ここは等彌神社の神職のご家族が住まわれている住居で、もうすぐリフォームが完了する段階でした。ほぼすべての部屋が見られましたが、緑の土壁や凝った建具、長細い中庭を囲む廊下など、素敵な日本建築でした。

HANARART2013『さくらぁと』@桜井本町-03
入ってすぐの小部屋。映像が投影されて、その前にはおちょこなどが並んでいます

HANARART2013『さくらぁと』@桜井本町-04
えあアーティスト・中田桃子さんの作品。大きなものから小品まで、どれも色彩のグラデーションが美しい作品群でした

HANARART2013『さくらぁと』@桜井本町-05
これも中田さんのインスタレーション。和室の畳を剥がしたところ、床板にたくさんの節穴が出てきたのだとか。そこで床下にライトを仕込んだところ、こんな不思議な雰囲気になったのだとか。この部屋は早めに退出していしまう方が多かったですが、目が慣れてくるほどに色んなものが見えてきて面白かったです!

HANARART2013『さくらぁと』@桜井本町-06
えあアーティスト・黒田大祐さんの作品。中庭の灯籠や木が、不思議なことになってます!

HANARART2013『さくらぁと』@桜井本町-07
同じく黒田さんの作品。以前に商店街で使用されていた街灯と、ドキュメント風の映像作品を投影しています

HANARART2013『さくらぁと』@桜井本町-08
奥まった部屋ではえあアーティスト・厚芝ひろみさんの作品が。破れた障子、むき出しになった床板。そんな空間で抽象的な巨大作品に向かい合うと、一瞬ここがどこなのか忘れてしまうようでした


特別公開されたすごい民家 @松村亭

さくらぁとでは、桜井本町界隈の古い建物などがいくつも紹介されていました。イベントマップに掲載されていないようなところもあり、中に入れたりするものもあります。この「松村亭」も、偶然通りがかって拝見した建物でしたが、これがすごかった!

説明によると、この松村亭は1809年に建てられ、お米・雑穀類、後の時代には盆栽用具などを商う商家だったとか。その後「しもたや」(店じまいすること)になったのだそうです。

現在も当主のご一家がお住まいで、玄関からリビング当たりまでは一般公開してくださったのですが、もうそのままで宿泊施設や料亭として使えそうな雰囲気なんですよね。ご主人はデザイン関係のお仕事をなさっているようで、飾ってあるのもご自身のものなのだとか。

前の道を通るだけではまったく気づきませんが、こんなすごいところがあったとは!さくらぁと期間中だけの特別公開でしたが、素晴らしいものを拝見できました!


HANARART2013『さくらぁと』@桜井本町-09

「松村亭」の外観。築200年を超える建物ですが、内部は現代風にリノベーションしてあります。建物の前に見えるのは、桜井市のキャラクター「ひみこちゃん」。この日は大活躍でした!

HANARART2013『さくらぁと』@桜井本町-10
松村亭に入ってすぐ。座椅子に囲炉裏テーブルです。これで一般のお宅だというんですから、驚きますね!

HANARART2013『さくらぁと』@桜井本町-11

HANARART2013『さくらぁと』@桜井本町-12

HANARART2013『さくらぁと』@桜井本町-13


もあ作品 川名一吉さん @六丁目路地

個人的に、今回の展示の中でもっとも面白かったのが、建築家・川名一吉さんが「六丁目路地」を舞台にした作品「想起」でした。川名さんは、今年のさくらぁとの総合プロデュースもなさっている方なのだとか。

「六丁目路地」とは、古い長屋形式の建物の裏手へと抜ける共有の通りです。壁に落書きがあるような薄暗く細い路地を抜けると、今はもう何もない空き地になっていて、古い民家の裏側が荒れた姿までが見えてしまいます。半透明のシートを吊るしたりして見せ方に変化をつけることで、不思議なドラマが感じられました。懐かしいような楽しいような、ワクワクする展示でした!


HANARART2013『さくらぁと』@桜井本町-15

HANARART2013『さくらぁと』@桜井本町-14

HANARART2013『さくらぁと』@桜井本町-16

HANARART2013『さくらぁと』@桜井本町-17

HANARART2013『さくらぁと』@桜井本町-18

HANARART2013『さくらぁと』@桜井本町-19

HANARART2013『さくらぁと』@桜井本町-20


津川まぁ子さん、平井明さん @保田與重郎生家

桜井出身の昭和の文芸評論家「保田與重郎(やすだよじゅうろう)」さん(Wikipedia)の生家も、会場として使用されていました。「孤高の文人として日本の美と歴史を語り続けた文芸評論家で、川端康成や三島由紀夫とも親交がありました」という説明がありました。

いつの建物かは分かりませんが、梁が太く、どっしり重厚な雰囲気です。現役でお住まいの住居で、土間部分にしつらえた板の間と和室1室が作品展示にあてられていました。中を拝見できるだけで感動でした!


HANARART2013『さくらぁと』@桜井本町-21

どっしりと重厚な「保田與重郎生家」会場。今でもとても美しい状態を保っているようで、住みたくなる古民家ですね

HANARART2013『さくらぁと』@桜井本町-25
板の間部分では、桜井市の(自称)ご当地アイドル「津川まぁ子」さんの展示が。タブレットで「桜井の七不思議」的なスライドショーを上映し、それと連動した絵画作品を展示しています。巨大なキリンが居たり、心霊スポットに(わざわざバスで)行ってみたり、屋根に大量の発泡スチロールを乗せた家があったり。面白かったです(笑)

HANARART2013『さくらぁと』@桜井本町-22

HANARART2013『さくらぁと』@桜井本町-23
お座敷部分では、奈良市生まれの作陶家・平井明さんの作品が展示されていました。田原本町に「唐古窯」を構えて活動なさっているとか。土の存在感が感じられる力強い作品でした


アノアデザインさん @琴平神社拝殿

HANARART2013『さくらぁと』@桜井本町-26
通り沿いにある琴平神社で、拝殿では「アノアデザイン」の作品を展示、境内のテーブル席では妖怪キャラクターへの絵付けワークショップなどを開催していました

HANARART2013『さくらぁと』@桜井本町-27
琴平神社の拝殿内。ポップな妖怪の絵、小さなフィギュア、何故か杉玉が吊るされていたり、いい具合にカオスです(笑)


前田政春さん @等彌神社

HANARART2013『さくらぁと』@桜井本町-28
紅葉ライトアップを開催していた等彌神社の社務所内では、奈良出身のアーティスト・前田政春さんの作品が展示されていました。一見キュビズムのような作品があったり、奈良の伝統的な風景がそこに描かれていたり。素晴らしい作品でした!

HANARART2013『さくらぁと』@桜井本町-30
二上山に牡丹の花。素敵!


桜井の街歩きの楽しさを再認識しました

桜井駅の商店街や街道沿いは、意識せずに歩けば単なる寂れた町ですが、昭和な雰囲気がそこかしこから感じられて、とても楽しいんですよね。

しかし、今回のさくらぁとでは、桜井本町に、江戸時代から続くような古い建物も数多く遺されていることに気づきました。歴史的な建物となると、奈良県内には大宇陀・五條新町・今井町など、さらにすごいところがいくつもありますから、桜井はあまり意識してきませんでしたが、やはりすごいですね。

昭和レトロにさらに古い時代が混ざり合った面白い雰囲気の場所ですから、ぜひカメラを片手に散策してみてください!


HANARART2013『さくらぁと』@桜井本町-01

桜井駅前の商店街は、(失礼な言い方ですが)適度な古さと寂れた雰囲気がいいですね(以前の記事)。昭和くらいの建物が多いのですが、今回のさくらぁとでは、それ以前の建築物も多いことに気付かされました

HANARART2013『さくらぁと』@桜井本町-34
古い街道が交差する辻。どこへ伸びていくのかワクワクしますね。左手には不思議な石段があったりするのも面白いです

HANARART2013『さくらぁと』@桜井本町-36
木造建築の道路に面する側だけを擬似洋風にした、いわゆる「看板建築」(Wikipedia)の建物。横から見るとトタンが貼ってあります。昭和中期ごろの商店街などに多く、全国的に次第に取り壊されています。桜井駅の周辺ではこのタイプの建物がいっぱい観られるのが面白いです!


■奈良・町家の芸術祭 HANARART 2013

HP: http://hanarart.main.jp/
期間: 2013年9月7日 ~ 11月26日
会場: 時期ごとに会場が移っていきます

五條新町(9月7日~9月16日)
御所市名柄(9月14日~9月16日)
八木札の辻(9月20日~9月29日)
今井町(9月27日~10月6日)
郡山城下町(10月12日~10月20日)
宇陀松山(10月20日~10月27日)
奈良きたまち(11月1日~11月10日)
桜井本町(11月16日~11月26日)

Twitter: @HANARART
Facebook: https://www.facebook.com/hanarart

※実際に伺ったのは「2013年11月23日」でした


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